いつまでも英語が習得できないのはどうしてなのか?

今日は英語の習得について考える。日本人は英語が苦手とされており「学校教育が悪いから英語がいつまでたっても習得できない」という意見が根強い。これについてはいろいろ思うところがあるのだが、ある程度英語が使えるようになってしまったために、それぞれの意見が妥当なのかがよくわからない。いったんできるようになってしまうと、なぜできるようになったのか忘れてしまうのである。

最近、韓国語をやり直している。韓国語に興味を持ち始めたのは高校生くらいの時だと思う。ハングルは簡単なので時間をかければ読めるようになったのだがそれ以上進まない。韓国に行ったときには日本語と同じ順序で漢語を並べると通用するので感動したのだが、それでも「ホテルに電話したいのですか」と「トイレはどこですか?」しか覚えられなかった。

少し思い立ってやり直しをしようと思った。手始めに韓国語の初級である「5級」の単語集のCDを見つけて繰り返し聴いているのだが、いつまでたっても単語が覚えられない。「ああ、やっぱり年を取ると記憶力が落ちるんだなあ」などと諦めかけたのが7月の末頃だと思う。

しかし、年齢ばかりを言い訳にしていても仕方がない。中学のときにボキャビルが苦手だったことを思い出した。友達の中にはスイスイと覚えて次の級に進む人もいるのだが、単語帳をただ覚えるのは退屈でいつまでたっても覚えられないのである。自分は怠け者で勉強ができないダメな人なのだと思っていた。

だが、今にして思うと「興味がないこと」が続かないだけの普通の人なのかもしれないと思う。

最初にやったのは韓国語の同じ歌を毎日続けて聞くというものだった。面白いことに歌だと半月も聞けば音は入ってくる。ある程度経過してから意味を調べると記憶が定着するのである。「影」「夏」「塩」「赤道」などととりとめのない言葉を覚えたのだが、これはその歌に出てくる歌詞の一部だ。

だが、それだけで韓国語が覚えられたという実感は得られない。さらに半月くらいかけてバラエティ番組を日本語の字幕で見た。食事を作るという番組なので「にんじん」「かぼちゃ(ズッキーニ)」「砂糖」「麦」「米」「スイカ」「きゅうり」などという言葉を覚えた。いったん言葉を覚えると単語帳の言葉も入ってくる。こうやって集中してやらなければならないんだなと思った。

外国語を楽しむためにはある程度のボキャブラリの集積が必要だ。だが、覚えるはじから忘れていってしまう。この忘却曲線は坂道のようなもので、言葉を習得するときにはこの坂をあえて登って行かなければならない。そして、それは年齢とともに徐々にきつくなってしまう。だから興味が続く素材をたくさん集めて時間をかけて聞くことになるのだ。

考えてみるとかなり長い時間を学習に充てている。それがあまり苦痛にならないのばバラエティ番組や歌そのものに興味があるからだろう。新しい言語を習得するためにはある程度の集中した時間が必要であり、なおかつ興味のある対象でないと続かないということだ。そしてそれをたくさん集めなければならないのである。

その意味では学校の英語の勉強は最悪の学習法だといえる。短い時間でだらだらとあまり興味のないことを学ぶので、記憶力に自信があって勉強そのものが好きという一部の変わった人を除いて「できるようになった」という達成感が得られない。学校で英語が得意になったという人はよっぽど変わった人なのではないかと思う。課外で興味のあるトピックを見つけるのが大切なのではないだろうか。そして三ヶ月などの期間を決めて時間を作ることが重要なのだろう。いったん長期記憶側で覚えると忘れにくくなるし、忘れたとしてもちょっとしたきっかけで思い出すことができる。

外国語を覚えるのはかなり面倒な作業なのだが、良いニュースもある。かつて、英語を学ぶときには留学でもして「言葉に浸かれる環境」を作る必要があった。だが、今はYouTubeなどを使えば原語のコンテンツは豊富に用意できるし、自分で集めなくても次から次へと新しいコンテンツがオススメされてくる。

さらにGoogleTranslateも使える。例えば「程度を表す言葉」を覚えたいとすると、これをあらかじめGoogleTranslateに仕込んでおいて毎日聞くことができるのだ。リンクしてあるページで音声ボタン(スピーカーボタン)を押すと読み上げソフトが文章を読んでくれる。もはや辞書が必要ないのである。

大きいという形容詞は「クダ」なのだが、韓国語の形容詞を形容形で使うためには(n)eunで挟む必要がある。形が変わって「クン」になってしまうともう聞き取れなくなってしまうので、一連の形をまとめて記憶する必要がある。これは「国(ナラ)」を付けた活用の形である。

크다.
큰 나라.
국가가 크다.

難しい話」で作るとこうなる。辞書形はオリョプタだが、名刺の前に付くと「オリュン」のように聞こえる。これも日本語を入力すれば正しい形がすぐにでてくる。

어렵다.
어려운 이야기.
이야기가 어렵다.

操作方法はちょっと複雑だが、Macを使うと簡単に単語帳が作れる。スピーチ機能を利用すればよいのだ。

テキストを保存して「スピーチ」で読む必要がある。ただし、デフォルトでは韓国語は読んでくれない。コントロールパネルの「音声入力と読み上げ」で「テキスト読み上げ」タブを押して「カスタマイズ」でおめあての言語のファイルをダウンロードする必要がある。韓国語を読みたい場合にはいちいちこれを切り替える必要があり面倒なので、ブラウザーからGoogleTranslateを呼び出した方が簡単かもしれないとは思うのだが、これはこれで別の面白い使い方がある。英語の方言に対応しているのである。英語でHey Judeの歌詞を調べてきてテキストとして保存する。これを米語、英語、スコットランド英語、豪語、南アフリカ英語、インド英語などで読むことができるのだ。

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