中国にサイバー攻撃されたら日本はどうするのか

安倍首相が「サイバー攻撃されたら自衛権を発動する」と言ったというニュースが出てきた。「あ、これリベラルが騒ぐやつだ」と思った。今後どんな展開を見せるのだろう。




だが文脈が全くわからない。これが「マスコミの劣化」を示していると思った。安倍首相、組織的なら自衛権行使可能=深刻被害のサイバー攻撃でというタイトルになっているのだが、肝心な情報がなく余計な情報が入っているからだ。

知りたいのは「誰に対するどんな質問に答えたのか」ということだ。また「その戦争とはどんな戦争なのか」という想定も重要だろう。だがこれは一切書かれていない。そして、余計な文脈は「深刻被害の……」である。つまり、これはサヨクに叩かれるやつだからあらかじめ予防線を張ろうとしたのではないかと思う。

NHKは少し優秀だ。背景文脈を政府広報している。つまり「アメリカが中国に対処するときにはお前らも付き合えよ」と言われているので日本国民もよろしく頼むよと言っているのだ。“サイバー攻撃は武力攻撃” 日米安保条約適用で共同対処へというタイトルがついていることから、日米交渉の中で出てきた話だとわかる。

NHKは政府広報なので資金は政府が税金から出すべきだ。政権がアメリカとのお付き合いの中でアメリカに便宜を図っているというだけの話であって、それが日本のためになるかどうかにはまるで関心がない。ヨーロッパですらアメリカとの同盟関係を見直す(メルケル独首相、アメリカはもう同盟国ではない?)中、日本にとっては必ずしも最良の選択肢とは言えないのだが、アメリカを後ろ盾とする政権としてはこれ以外の選択肢はないし、国際常識にキャッチアップしていない一般国民にも関係のない話だ。多くの日本人は未だに冷戦が続いていると思っているのだろう。

この日本の受け身っぷりがわかるのが次の一節である。日本のリソースを使わせろよと言われているのだ。その環境整備として国会で既成事実を作ろうとしたのだろう。しかし、文脈を隠しているので唐突感が出るのだ。

また、日本の人工衛星にアメリカのセンサーを搭載して、宇宙の監視体制を強化することも確認しました。

“サイバー攻撃は武力攻撃” 日米安保条約適用で共同対処へ

もう少し背景がある記事が見つかった。別記事で韓国について強く書いているので右寄りのメディアだと思うのだが、日本の動きがあまりにも受け身な事を心配している。

最近、サイバー攻撃と自衛権に関する政府関係者の発言が目立つ

サイバー攻撃に実はなすすべがない日本の現実

ここには「日本がサイバー攻撃をされても対処できないしアメリカに依存している」と書かれてる。「だからなんとかしろ」というわけだ。もちろん右寄りなので政府が説明をはじめればそれに従って軌道修正するのだろうが、右の人たちはそれまではかなり強気のことを言う。権力構造に極めて敏感でありながら、単に従う側にいるとは思いたくないのだろう。

ここまで読んでくると、安倍首相がどんなつもりで答弁したのかわかってくる。たぶん安倍さんは「何が起こるかわからないし興味もないが、アメリカから言われているからやっとかないとな」と感じているのだろう。そして、攻撃されるのは日本ではなくアメリカという想定なのだろう。サイバー空間に距離は関係ないのだが日本にとって戦争とは遠くで起こるものなのだ。

このような一連の背景から、日本は特に自力では対処しないだろうし、対処しようとしてもアメリカから独立したシステムは作れないということがわかる。多分、アメリカは日本の防衛には興味はない。単に日本を利用したいだけなのだが、そう思いたくない日本は「アメリカがきっと守ってくれる」と自己洗脳を続けるだろう。

そして冒頭の記事が想定を伝えられな買った理由もわかる。どの程度の攻撃が対処の範囲に入るかはがアメリカが決めるから日本ではわからないのだ。これに議会自民党から反論が出ないのが不思議で仕方がないが、まあこれも見慣れた現実ではある。

そして、この曖昧さに苛立つ左翼の人たちが政権を攻撃することも目に見えている。安倍は戦争をしたがっているわけだから武力攻撃の口実にサイバー攻撃も当然使うだろうというわけだ。やはり安倍は戦争を従っているというわけである。

こうして、アメリカ追随の思考停止がまた一つ不毛な対立の物語を作ろうとしている。背景は明確になったがいつものように殺伐とした気持ちが残る。

One Reply to “中国にサイバー攻撃されたら日本はどうするのか”

コメントは受け付けていません。