国が嫌いならどうぞ出て行ってください!と大統領が叫ぶ国アメリカ

面白いツイートを見つけた。トランプ大統領が「国が嫌いならどうぞ出て行ってくれ」と言っている。




まず最初にこれを発見したきっかけはABC Newsだった。女性が抗議の会見を開いていた。出て行ってくれと名指しされたのは4人の有色人種の女性である。例えて言えば安倍首相がTwitterで蓮舫参議院議員に「台湾に帰れ」と名指しするというのに似ている。男性でなく女性を狙ったというのも確信的な行為なのだと思う。

こんなぴったりな状況が簡単に見つかるほど、日本とアメリカは今そっくりの状態になっている。そして、これほどひどいことを言っても大統領を辞任に追い込めないばかりか賛同者すらでてくるというのも似ている。

このTweetはこれで終わらず、民主党は社会主義者でアルカイダを応援するような人たちだと攻撃していた。そこでアメリカ人はこの「社会主義」というような言葉をちゃんと理解しているのだろうかとふと思った。理解していなければ単なる悪口である。

これについてQuoraで聞いてみたのだが、当然のことながら対して有用なコメントはつかずさらに人々はこれに興味がないようだった。それでも8回答が付き、トランプ大統領に肯定的なコメントが多く諦めたものがちらほらある。

だがそれでもこれを読むとアメリカ人の社会主義像がよくわかる。

2016年のキャンペーンでヒラリー・クリントンは有能ではなかったが「人々は見たいように彼女」を見た。その後民主党は分裂し一部の左傾化した人たち(バーニー・サンダーズのような候補者を言っているのだろう)が現れた。

この中にシャンパン社会主義者という言葉が出てくる。シャンパンを飲みながら慈善事業を語るというイメージである。民主党の社会主義とは「古いリムジンに乗っていてガードがついている人たち」と「新興のシャンパン社会主義者たち」の自己満足の内輪揉めであると決めつけている。

日本でも自分たちの意に沿わない人たちを反日と決めつけ「中国や韓国に帰れ」という言動が飛び交っているが、政治家たちがそのような発言をすることはそれほど多くない。ところがアメリカでは大統領自らがそれを口にして選挙キャンペーンに利用しているという現実がある。そして、それが熱狂的に受け入れられてしまうのだ。

もちろん、人種攻撃そのものには批判が集まっていて「4人の女性にトランプ大統領が言ったことについてどう思うか」という質問は大いに盛り上がっていた。トップに着ているのはこれが「人種差別だ」というものだ。しかしこれも人格に関する話であって、もはや政策論争とは呼べそうにない。

一方、野党民主党も「お金持ちのエスタブリッシュメントのたわごとである」という印象を拭えず人々の関心を掴むことはできない。日本もなかなか泥仕合なのだがアメリカの政治はもっと混乱しているように見える。「日本に民主主義を押し付けた」アメリカの節度ある民主主義は完全に壊れているのである。

もちろん「社会主義・共産主義」と「公共サービス」を分けているコメントもあったのだが、どこか諦め気味だ。まとめると次のようになる。

社会主義という言葉は悪口として「コミュニズム(共産主義)」と同じ意味で使われる。貧しくて怠惰で報いるに値しない人たちに金を投げ捨てるという意味だ。だが、それは用語の正しい使い方ではない。社会主義教義に根ざした正しい使い方は警察・消防・学校のような無料公共サービスのことである。

しかし、こうした冷静なコメントはこの騒ぎの中では全く力がない。つまり、社会主義、テロリストという言葉は単なる悪口として使われておりその中身に人々は関心を持たない。4年ごとに勝った負けたで熱狂していたお祭り民主主義が最後に行き着いた修羅場を我々は今見ているということになる。