Twitterを分析する

Twitterにアナリティクスという仕組みがあり、ツイートの反応を分析することができる。分析の目的の目的は「今夏の選挙で立憲主義を争点にすると負けますよ」ということの証明なのだが、その他にもいろいろなことが分かるのでご紹介したい。

政治にだけ着目すると「左派インテリ」への反発が強まっており、立憲主義や民主主義を守りたいという欲求は退潮しているということが分かる。左派も民主主義を守りたいわけではなく、安倍晋三という人そのものに反発しているのではないかと思われる。

それ意外だと「自分に関係あること」の反応率は高いが、それ以外のことには関心が高くない傾向もありそうだ。

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立憲主義を争点にすると負けます

まず、メインテーマから。立憲主義への関心はほとんどない。閲覧数も少ないし反応率も今ひとつ。つまり、興味を持っている人は少ないのではないかと思われる。また左派インテリへの反発も強そうだ。

甘利問題もあまり興味を引かなかった。金権政治家への風当たりは弱まっているらしい。ただし「甘利さんは陰謀で陥れられた」と思っている人は多いらしい。検索経由での閲覧が多かった。黒幕を探していた人もいた。甘利問題は金権政治の問題ではなく陰謀論として捉えられているのだ。

その他興味を引かなかったもの

TPP、電力自由化なども興味を引かないらしい。Twitter Analyticsによると、フォロワーで最も多いカテゴリはテクノロジーに興味がある人らしいのだが、テクノロジー関係のツイートも興味を引かなかったようだ。「新製品が出た」とか、そういう話題が受けるのかもしれないが、よく分からなかった。また格差問題には関心が集ったが生活保護に関するツイートはあまり関心を集めなかった。生活には不安を感じているが生活保護を受ける程度には至っていないと考える人が多いのではないかと思われる。生活保護に関する拒否反応はよく語られる。やはり「恥だ」という認識なのかもしれない。

どのようなツイートが受けたのか

逆に、反応が良かったり、インプレッションが伸びたものは下記の通り。

個人に訴えかけるもの

立憲主義はあまり関心を集めないのだが「安倍政治を続けさせたくない人に読んで欲しい」というツイートの反応率は良かった。個人に訴えるとよいのだろうかと思った。また、安倍晋三個人への反発が強いのかもしれない。

個人に関係があるもの

金融で統計を取ると関心はあまり高くなかった。そこで金融のテクニカルなつぶやきと口座維持手数料に分けてみると顕著な違いが出た。「マイナス金利」のニュースに際して「自分の銀行の手数料が高くなるか」ということが関心の対象になっていて、それ以外は、言葉は悪いが「どうでも良い」ことなのだ。

弱い犬を叩くもの

「民主党のていたらく」と名付けたのは、民主党は解党すべきとか、経済政策がないというもの。どうやら民主党は、否定的な感情を持つ人たちから監視されているらしい。ネット右翼が韓国に詳しくなるのと同じ理屈なのだろう。これらのツイートはインプレッションを稼いだ。逆に擁護したり提案しても全くと言っていい程反応はなかった。

懐疑心

読みが難しいものもあった。これが今回のトップツイートとなった。組体操は憲法違反だという木村草太氏へのツイートに反応したもの。「議論」というラベルを付けた。

「社会が大きな目的を達成するためには個人の犠牲はやむ終えない」というのが、校外の合意となり法制化されたら、やはり法律は尊重されるべきなのだろうか。

いくつかの読み方ができるが、左派インテリ層(「戦争は良くない」などという学校の先生みたいな人)への反発のようなものを感じる。立憲政治を守りたいというツイートが無反応なのと一対になっているのではないかと思える。もう一つインプレッションを伸ばしたのがこれ。哲学者の永井均氏に宛てたもの。

この論法だと安倍政権の憲法改正も民主主義を通じた真摯な普遍道徳の追及だということになると思うですが、永井先生はこの説を支持なさいますか。支持しないとすると「徳」のような判断スイッチを外に置かざるをえなくなると思うのですが。

自民党の憲法案への賛成票であればまだ良いと思うのだが「左派インテリが困った顔をするのが見たいから」というルサンチマンで憲法改正案が成立してしまうのだとしたらかなり問題が大きいのではないかと思う。

その他

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その他受けたものをいくつかご紹介したい。まず民主党の長島昭久議員との間のやりとりで「愛国心」に関するもの。広がりは全くないのだが、反応率が高かった。キーワードは「保守」や「愛国心」。こうした言葉に対する反応率の高さは意外だった。しかし、質には少し違和感がある。グローバル化や左派インテリへの反発が重なっているのではないかと思う。これについては少し考えた方がよいかもしれない。

また松田公太議員との間のやり取りも反応があった。こちらも広がりはない(多分世間一般への関心は高くないのだろう)が、反応率が良かった。根強いファンが付いているのかもしれない。

トリビアも反応率が高かった。福岡県の京都郡がきょうとではなく「みやこ」と読むというもの。どうでもいい話だが、こういう軽い話題は受けが良いようだ。

その他ジャンルが受けたように見えるのは、受けが良いものだけをその他に入れたからだ。山本太郎議員が北朝鮮反対の決議に加わらなかったことを非難している人がいたので次のように呟いたら6700回閲覧された。プロフィールを見に来る人がやたらに多かったので「こいつは左翼(あるいは山本太郎のシンパ)だろう」と思われたのではないだろうか。

自民党の議員さんの中にも北朝鮮への非難決議を拒否した方が大勢いらっしゃったようです。先生はこの件について何か御存知ですか?

調査の方法

まずTweet Analyticsを使ってデータをエクスポートした。どの分野のツイートなのかは手作業で入力した。今回は20のカテゴリーに別れた。金融をサブカテゴリに分けたので、合計で21になる。カテゴリごとのインプレッションを合計し、ツイート数で割った平均を横軸にとり、反応率を縦軸にとった。反応率には、URLの押下・プロフィールの閲覧・いいね・リツイートの数などが含まれる。よって、反応率は「賛同率」とは異なる。ツイート数は200ちょっと。

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