立ち泳ぎの練習法

立ち泳ぎはなぜ必要か

立ち泳ぎは次のような時に役に立つ。

  • 水の中で顔を出して静止することができる。
  • 足の付かないプールや海などで溺れずに浮いていることができる。
  • 水球やシンクロナイズド・スイミングのように立ち泳ぎが前提になっているスポーツもあれば、救命の為に必要とされる場合もある。
  • 立ち泳ぎは水中動作の基礎になっているので、練習すると、背泳や平泳ぎがマスターできる。

立ち泳ぎの練習法

プールに入る前に椅子に座って「巻き足」の練習をする。腕で確認するとよい。両腕を内側に巻き込む。同時に腕を内側に入れるとぶつかってしまうので動きを時間差で行う。これができるようになったら水中に入り練習する。これを巻き足という。

これとは別に平泳ぎのように踵をお尻に近づけて蹴り出す方法もある。これをふみ足という。

最初は水の中で安定して浮いていることができないので、ビート板につかまり前か後ろ(大抵後ろだそうだ)に巻き足で泳いで行く。

練習と時間経過

実際にやってみた。もちろん習得には個人差があると思う。

最初の年は「やっと浮いていられる」程度にしかならなかった。だが、ここで練習を中断してしまっても構わないようだ。体が動作を覚えていて、次の年はこれを思い出しながら練習ができるようになる。つまり、しばらく休んでいるうちに頭で情報が整理されて次のシーズンにはうまくできるようになるのだ。

しばらく練習していると技術がそこで止まってしまうので、課題を加えて行くとよいようだ。例えば、手を水中に出すと難しさが増す。また、立ち泳ぎの姿勢から泳ぎの動作へ移る練習をすると、水中でスムーズな動作ができるようになるだろう。

立ち泳ぎを巡る混乱

このように水泳の基礎とも言える立ち泳ぎだが、まともに解説した文書は少ない。また立ち泳ぎを研究した本も一般に売られていない。多分1冊の本にするほどの分量がないからだろう。子どもの頃から水泳の練習をしていると自然にできる人が多いので、取り立てて立ち泳ぎだけを覚えようという気にはならないのかもしれない。しかし、かなり泳げる人でも立ち泳ぎだけはできないという人もいるようだ。

最初に書いたように立ち泳ぎには二つのやり方がある。一つは足ひれをつけたようにして甲で水をかく「あおり足」。もう一つは平泳ぎのように足を蹴るふみ足だ。ふみ足では交互にキックを行う。

これを洗練させてゆくと、やがて巻き足と呼ばれる動きになる、とされるのだが(平泳ぎをやっていると自然に巻き足になると書いてあるものもある)実際にはそうはならない。また、ふみ足と巻き足の中間のようなやり方を「巻き足」として紹介しているものもある。

このように、本や解説者によって微妙に言い方が異なっているのも学習者にはやっかいだが、つまり人によっていろいろなやり方があり、自分の習得した方法を人に説明しているということなのだろう。目的さえ達成できれば解説がすべて理解できなくても構わないということになるのかもしれない。

人はそのまま浮いていると耳の線あたりまで浮かぶ。じっとしていてもほとんど浮いているわけだ。じたばたと動くことで逆に沈んだり、あらぬ方向に動いてしまったりする。練習すると一時的に事態が悪化するので、最初は「練習してもムダなのではないか」と思ったりする。

巻き足を文章で解説するのは難しい。この解説では、膝から下を左右交互に内側に向けて円を描くように回す。と言っているがほとんど意味不明だろう。これは実際の動きが三次元的であり、加えて水の中で行われるために自分がどのような動きをしているのかよく認識されないからだろうと思われる。自分でやってみると頭の整理ができない。が、ここであきらめずにジタバタしてから、しばらく時間を開けるのも手かもしれない。休んでいる間にも脳は情報を整理しているからだ。

立ち泳ぎの技術

立ち泳ぎにはいくつかの技術が必要だ。通常、技能とはみなされないものを含む。

  • 水の中で垂直に浮かんでいることができること。
  • 水の中でじたばたと動かず、また動きが下に沈む力にならないこと。
  • 足が柔軟に動くこと。

英語で巻き足のことをEggbeater Kickと呼ぶ。実際にやってみると分かるのだが、最初のうちは、蹴り下ろすときには大きな揚力が得られそうだが、逆に足を引き上げるときに下に沈んでしまう。また、かなりの柔軟性がないと足を引き上げることができない。さらに、腿の動きに気を取られると足首できちんと水をかけない。

別の解説によるとそれぞれのパーツの角度は90度になる。かなり持久力が必要だと書いてある。つまりある程度陸上で柔軟運動をしてから水に入る必要がある。

このように解説しているものもある。(サイト閉鎖のためにリンクは削除しました)

座位(椅子に座った姿勢)で膝を横に開き、下腿を左右交互に動かして推進力を得る技術。
膝をできるだけ広げ、片脚ずつ足と下腿で大きな円を描くように動かします。左脚は時計回りに、右脚は反時計回りに左右交互に動かします。脚の動きが電動式調理器の「卵かき混ぜ器」に似ていることからこの名がつけられました。指導現場においては、エッグビーターキックを通常「立ち泳ぎ」または「巻き足」と呼んでいます。

送信者 Keynotes

図だと難しいが動画だとこのような感じになるらしい。

水球で立ち泳ぎしている人はそれほど足が曲がっていない。

シンクロのサイトを見ると、水球のキックのように足を振り下ろしてはいけないと解説されているようにすら思える。つまり解説者によってそもそも理想されるフォームが異なっているのである。

初歩からの練習法

日赤の資格試験などでは手を使わずに5分ほど立ち泳ぎができなければならないとされるそうだ。この場合には専門のコーチについて練習するべきだろう。しかし「取りあえず浮いていればいい」のであれば、自分でも練習できる。

  1. まず、地上で正座をする。膝を曲げたままで足を横に広げお尻を直接地面につける。これは巻き足の最初の足のポジションと同じだ。
  2. 次に足の動作を地上で確認する。椅子に座って行うとよいらしい。
  3. さらに水の中に入り同じ動作を行う。
  4. 最初は水の中で安定して浮いていることができないので、ビート板につかまり前か後ろ(大抵後ろだそうだ)に巻き足で泳いで行く。推進力を確認する。
  5. 推進力が付いたら最終的に水中で静止しつつこの動作を行う。

しかし、このやり方だと「立ち泳ぎ」ができるのは最後の最後だ。人によっては1か月も2か月も全く成果が出ないことが考えられる。成果がでないと飽きてしまうかもしれない。

  1. まずは無意識に水中で足をまわすことができるように練習する。水の中ではなかなか意識的に足を動かすことはできない。
  2. 続いて、平泳ぎの足を交互にくり返し浮く感覚を覚える。水中で行うか(揚力が十分ないために浮き上がれない)ビート板を使って平泳ぎの足を行う。ビート板で首まで出るようになれば、実際にはビート板なしでも浮き上がれる程の揚力が得られている。しかし、手のポジションが変わると水の中でのバランスが崩れるので、手を前に組んでバランスを取るようにするとよいようだ。
  3. これが継続的にできるようになったら、手を使って揚力を補ってやる。すると辛うじて首を水の上に保持することができるようになる。
  4. この時点でふみ足が完成する。
  5. あとはこの動作に慣れ、徐々に足の柔軟性を増して巻き足に移行するのである。

このやり方は早く浮く事ができるようになるが、きれいな巻き足にはならず、なかなか検定に合格できるほどのフォームに移行することは難しいかもしれないが、どうにかして浮いてしまえば、あとは練習を繰り返しているうちに自分なりのやり方を覚えることができるだろう。立ち泳ぎにはこれといった正解がない。まずは水に浮いて静止できるようになってから、フォームを整えるのが良いのではないかと思う。

このような記事もいかがですか