NHKが朝鮮中央テレビ化しているのだが……

ある日のNHKのニュースが酷かった。その日にはこんな出来事があった。グアムで米軍機が墜落し、エジプトに向かう飛行機が消息を絶った。高速道路の工事現場が崩落した。そして、大阪でも殺人事件が発生した。スリランカでは大洪水が起きて30万人が家を失うというニュースがあった。

だが、NHKが時間を裂いたのは安倍首相がサミットにむけて何を準備しているかということだった。選挙向けにはバラマキと消費税増税延期が必要なので、そのための雰囲気作りをする必要がある。そのために「力強い政治リーダーとして、世界経済を牽引するために各国に要請を行っている」という絵を作りたかったようだ。いわばG7を国内政治に利用を幇助していたのである。

野党側はこれを見越して「自分たちが消費税減税を先に言った」という実績作りに熱心だ。アンチ野党の人たちが「財政再建はどうするんだ」などと騒ぎ始めているのだが、早晩に状況は変わるだろう。

各国のリーダーの思惑もだいたい分かっている。アメリカはヨーロッパと日本に支出を増やしてもらいたいと考えている。自分の政府はもう借金ができない(なにせ政府の閉鎖寸前まで追い込まれているのだ)からだ。ドイツは「やりたきゃ勝手にやれば」と思っているようだ。

だからNHKが作る絵は国内向けのプロパガンダにしか過ぎない。「北の指導者が経済活性化の為に尽力した」というのと似ている。全世界の人は、北朝鮮が経済的に圧倒的に南に負けていることが分かっていてあの絵を見ているから、アナウンサーたちの大仰な声がこっけいに見えるのだ。

安倍政権が圧力をかけているとは思わない。多分NHKの人たちは頭がいいので、与えられた状況でどうしたら出世できるかがよくわかっているのだろう。風向きが変われば、また変えればいいだけの話である。

と3日前くらいに考えたのだが、朝起きてどうでもよくなった。ふと「なぜ、自分はこれだけたくさんの出来事が起きているのか」知っているのだろうと考えたからだ。明らかにそれはネットがあるからだ。ニュースに興味があればYahooニュースかなんかを覗くか、Twitterのタイムラインを眺める。それだけでたいていのことは足りてしまうのである。

そもそもNHKのニュースをみて「安倍さんがんばってるなあ、誇らしいなあ」などと思っている人はほとんどいないだろう。「一億総活躍プラン」みたいなものが作られているのだが「財源は決まっていません」の一言で「ああ、また詐欺かよ」と思った人がほとんどなのではないだろうか。これはさすがにNHKも扱っており、財源が決まっていないこともきっちりと伝えていた。

高齢者はNHKに騙されるだろうと考える人がいるかもしれないのだが、朝日新聞を隅から隅まで読んでいて、有り余る時間に舛添さん問題などについて熱く語り合っているわけで、NHKを鵜呑みにして「安倍様は世界の首脳からの熱烈な要請を受けて力強い消費税増税延期を決断なされた」などと言えば笑われるだけだろう。

「このような政権追従の報道を続けていれば、そのうちにNHKは信頼を失うだろう」と書きたいのはやまやまなのだが、そもそも最初から信頼などされておらず、人々は好きな情報を好きなように解釈しているだけなのだ。

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