ラテンアメリカ諸国、国民性と民主主義

ラテンアメリカはすべてスペイン語圏で、似たり寄ったりの人たちが住んでいるんだろうと思っていたのだが、地域によってかなり様相が異なるようだ。面白そうなので、手元にあるホフステードの指標などを調べてみた。

人種構成

L_america004南部の温帯地域ほど白人比率が高い。唯一の例外はコスタリカだが、他の地域では混血に分類される人が白人としてカウントされているらしい。その他にもともといたインディオの人たちが病気で壊滅してしまったという事情もあるそうだ。コスタリカは高度な民主主義を享受している。

その他、ウルグアイとパラグアイなんて同じようなものなのだろうと思っていたのだが、人種構成はかなり違っている。ウルグアイはかなり民主主義の盛んな国(日本より民主化度数が高い)なのだが、それでも軍政を体験しているそうだ。

一般的に白人度合いが高いほど、民主主義も発展しているという傾向がありそうだ。

権力格差

l_america001一般的に権力格差はそこそこ高い。日本より平等指向の国はアルゼンチンくらいなようだ。民主主義が機能不全を起こしているベネズエラは突出して高い。エクアドルもやや高め。どちらも産油国であり、OPECに加盟している。

ブラジルは官僚主義の国だが、アルゼンチンはそれほどでもなさそうだ。その意味ではアルゼンチンとコスタリカが例外なのかもしれないのだが、その違いがなぜ生まれたのかはよく分からない。人種や文化というよりは、社会構造によって違いがでる指標なのかもしれない。

個人主義の度合い

L_america002個人主義の度合いが強いのは白人が多い国だ。原住民の人たちの個人主義の度合いは低めなのだろう。この個人主義という観点だけが人種とリンクしている。

唯一の例外はメキシコだ。白人の割合はそれほど多くない。メキシコは権力格差も大きい。あまり民主的な国家とも言えないようだ。

男性的社会

L_america003男性指向というのはなかなか分かりにくい指標だ。「24時間戦えますか」というのが男性指向の極端な例だ。日本はこの指標がきわめて高い国である。逆にみんなで助け合ったり、居心地のよさを求めたりするのが女性的社会である。日本でどんなにがんばっても社会で子供を育てて行こうとならないのは、日本人が母性的な優しさを持たないからだと言える。

ここではメキシコ、コロンビア、ベネズエラが割と男性的な社会だといえる。同じ産油国でもエクアドルとベネズエラでは全く事情が異なっている。

歴史的な経緯といった、複雑な条件が違いを作るのだろうとしか説明ができない。

まとめ

同じようにスペインやポルトガルに支配されていたのに、国によって文化は全く異なる。なかには、内戦でめちゃくちゃになった国(ニカラグア)と比較的民主主義がうまく機能している国(コスタリカ)が隣り合っている地域もある。中米地域と南米北部はそれぞれ一つの国を作っていた時代があるのだが、長続きしなかった理由がよくわかる。文化がバラバラだと国としてまとまることが難しいのだろう。

北米のアメリカ合衆国はキリスト教徒民主主義を基本理念としてまとまっているという印象があるのだが、中南米もキリスト教とスペイン語を基盤としているわけで、共通基盤があるからといって、統一性が作られるというものでもないようだ。北米は比較的平坦で行き来が楽なのだが、中南米は行き来が難しそうである。一体的な市場が作られなかったという点も、統一を阻んでいるのかもしれない。

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