社会保障費の削減

民進党の党首候補の焦点はどう社会保障費を捻出するかだということをご紹介したばかりだが、厚生労働省の社会保障費の概算要求が記事になっている。財務省が示したキャップを超えており1,400億円の削減が必要になるそうだ。

年金は減らせないので、現役サラリーマンから搾り取って保険料を値上げするか、介護従事者への手当を減らすかの二択のようだ。生活保護費の減額なども提示されているが、全体に与える影響は軽微なものになるのではないだろうか。消費税増税を延期してしまったので、子育てに思い切った予算を割くなどということはできないだろう。

自民党が選挙のときに何を言っていたのかを覚えている人などいないわけで、選挙が終わったらこういう話が出てくるのは予想ができることだった。厚生労働省としては「自分たちが減らしたわけではない。政治家が決断したのだ」ということにしたいのだろう。アベノミクスの果実とは一体何だったのだろうか。

民進党はすでに既存の予算では社会保障費は捻出できないと認めているわけだから、自民党の姿勢に対して議論ができるはずはない。蓮舫氏が代表になった場合「行革しろ」というのだろうが、アドミニストレーターとしての経験がほとんどないわけで、リーダーシップを発揮して抜本的な無駄遣いの削減などできるわけがない。一方的に外野席から削減を叫んでも協力する官僚は皆無だろう。前原氏が代表になった場合には沈んだ顔で「増税しろ」というわけだからさらに支持が停滞するのは間違いがない。

一方、安倍首相は足元の困窮にはまるで興味がない。支持率が悪くないので、関心はどう名前を残すのかということに移っているようだ。戦後70年誰も成し遂げられなかった憲法改正をするか、日露平和条約を締結した偉大なリーダーになりたいのだろう。あとは外国に気前良くばらまいて「中国に勝った」と言いたいのかもしれない。

政治家は長い時間をかけて、まともな神経と常識を持った実務家を排除してきた。故に成長戦略が立てられない。故に分配できるパイが増えることはないのだろう。成長戦略といっても、せいぜい使いもしない道路を新しく作るというようなことしか言えない。

当然国民の間には不満が高まるわけで、ちょっとした政治家の不正やオリンピック関連の無駄遣いについて大騒ぎしつつ、全体的に手が打てないという状態が続くのだろう。

 

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