日本人にインターネットは向いていないかも……

先日来、LookbookとWEARを比べている。いくつか違いがある。WEARはファッションサイトなので服を中心に組み立てられている。一瞬当たり前のように感じられるのだが、Lookbookをみるとそうでもないことが分かる。Lookbookは「私をどう演出するか」という点に力点が置かれていて、服はその要素の一つだ。とはいえ服がおろそかになることはなく、ポイントになる要素(例えば靴など)は強調されている。これを実現するためには、自分を素材だとみなして客観視しなければならない。だが、訓練なしでは難しい。

一番の違いは顔の処理だ。WEARには未だに目を隠している人が多い。中にはうつむいていたり、サングラスで目を隠す人もいる。中には手を口に当てて口だけ隠している人たちがいた。彼らは洋服を見せたいのであって、顔を晒したくない。体は隠さなくて良いのかと思うのだが、そこにはコンプレックスはないようだ。つまり、個人として特定されたくないのだろう。

その一方で、顔を晒すとどんな不都合があるのかは、実はよくわかっていないのではないだろうか。

特定されたくないとはいえ、無視されるのも嫌なようだ。その証拠に顔を隠しても「いいねをお願いします」というような記述がある。個人を特定されて嫌なフィードバックを貰うのはいやだが、承認だけはしてほしいということになるだろう。

pdca承認を得るためには試行錯誤をして失敗を減らすしかない。このために古くから用いられるのがPDCAサイクルだ。デミング博士らが提唱し、日本には製造業を中心に広まった。日本版ではAはActになっているが、英語版ではAdjustという説もあるそうだ。

悪い評判を聞かないとこのサイクルが回せない。

一方で、フィードバックする側にも問題がある。改善を求めるわけではなく、批判が人格の全否定になることが一般化している。

距離が掴めない関係で、ネガティブな意見をいう技術がないのだ。他人のフィードバックがない分だけ、自分の意見や価値観が絶対的だと思ってしまうのだろう。つまり、この関係は受信者と発信者に共通の問題のように思える。

注目が得られない人は、ある程度来たところで発信をやめてしまうと思うのだが、成功してしまっった場合にも別の問題が起こる。ある時点でネガティブなフィードバックに接するとどうしてよいのかがわからなくなる。そこで相手をブロックするということが起こるのではないだろうか。

そもそも、情報発信をするとネガティブなフィードバックがあるいう仮定は間違っている。情報発信をしている人は多いので、わざわざ好んでネガティブなフィードバックを送ってくる人は多くない。それほど気にすることはないのではないかと思える。

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