スマホに支配される人

先日面白い光景を見た。子育て世代は始終子供に付きまとわれている。小学校に入る前の子供は一日中、思いつきを垂れ流しており、その聞き手はお母さんだ。思考が外部に溢れているような状態なので、人間の思考というものがいかにとりとめのないものかということがわかる。

そこでお母さんは子供に古くなったスマホを与える。YouTubeを見せている間は子供は黙っているからだ。子供はかなり手慣れているようで、CMをスキップしていた。お母さんは、その空いた時間にスマホで友達と連絡を取っているようだ。結局、親子2人でスマホに向かうことになった。

ここで「ああ」と思った。なかなか返事が帰ってこない人なのだが、その理由がわかったからだ。主婦は時間がない。そこで空いた時間で友達に返信しているらしい。そこで連絡が必要な人がテトリスのように溜まってしまい「ご新規様」が受け付けられなくなるのである。時間を詰めて簡単に返信するという手段があるわけだが、それはやりたくないらしい。

これを改善するためにはいくつかの工夫が必要だ。第一に着信手段を集約する必要がある。次に情報を整理する時間を決めて、まとめて返信すればいい。言ってみればビジネスマンがよくやっているような方法だ。

一見すると「その場で返事ができない」ことが問題になりそうだが、実は最大のディレイは24時間で済む。1日経てば確実に返ってくるということがわかれば、意外と待てるものである。また、メッセージの総量が決まるので、それに掛けられる時間も決まる。さらに、注意力が散漫になることがないので生産性を挙げることもできる。

実は、この現象は、受信者・発信者ともに経験しているのではないかと思える。即時で返信がもらえるのはいいことのように思えるが、実は常に待っているという状態に陥っていることがわかる。ずっと待っているからこそ、これ以上の待ち時間が許容できない。つまり問題は待ち時間ではなく、自分のペースが作れないということなのだ。

多分「時間を決めて返信しろ」というようなことを直接アドバイスすると「私は忙しいのに、わかっていない」というレスポンスが予想されるのだが、実際には時間を決めた方が効率がよくなるということがわかるだろう。実際にそのような研究はいくつか出ている。

  1. マルチタスクで生産性が40%下がる。
  2. マルチタスクをしてはいけない理由

スマホが悪いわけではなく、マルチタスクに問題があることがわかるだろう。もっとも、常時スマホ依存をやめるためには、周りの人たちの協力が不可欠だ。

第一の障壁は人によって連絡手段が違うという点だろう。年配者ほどメールに依存する傾向がある。年配主婦はパソコンが扱えないので携帯メール+ファックスになる。一方で若年層はパソコンを持っておらずLINE一辺倒だ。急激に通信環境が変わってしまったので、かつてのように電話と手紙があれば用が足りるということはなくなっている。

さらに、周囲がそれなりのペースをつくる必要がある。下層の中間管理職や主婦のように時間の自由がきかない人たちになるとそれは難しくなる。つまり、生産性が悪い人たちはいつまで経ってもその状態から抜け出せず、生産性の良い人たちは協議して1日のペースが作れるようになる。ここでも格差が生まれることが予想されるのだ。

 

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