あんたが前に書いたブログを削除しろという要請が来た

いきなりTwitterのダイレクトメッセージで「記事を削除しろ」と言われた。削除しろといわれた記事はこちら。まあ、書いていればいろいろあるだろうなあとは思ったのだが、いきなり削除しろといわれると「何言ってるんだアンタ」という気にはなる。

まず「評価したブログを削除しろ」と来た。書いたブログは削除できるが評価したブログは削除できない。そこで?となった。そもそもどのブログ記事なのか書いていなかったので、何をやっていいのかすらわからない。

理由は「自分が嫌がらせを受けているから」なのだという。なぜ、他人が嫌がらせを受けたら自分が記事を削除しなければならないのだろうか。

そこで問いただしてみたところ、記事は特定されたのだが、その理由付けは「上西議員について言及したところ嫌がらせを受けるようになった」と書いてあった。その話は前に聞いたと思ったのだが、それも記事を削除する理由にはならない。そこで理由を聞いたところ「片方では感じがよくない」という。意味がまったく通らない。「一方的で感じ悪い」という意味なのかなあと類推したのだが、それでもよくわからない。インプットがあれば対話式にしたりすることはできる。

続けて「この前提示したURL(これは2ちゃんねるなのだが)に誹謗中傷を書き込まれている」というメッセージがきた。「この前」というのは8月のことだ。大体このあたりでなんとなく意思疎通ができない理由はわかった。

第一にこの人は「なぜ」と「だから」という言葉の使い方を理解していないようだ。次に自分の頭の中にある知識を相手がそのまま持っているという思い込みがあるのだろう。

一方、こちら側が期待するのは次のような文章だ。

私は~であり、あなたの書いた文章は~である。それが[具体的な問題]を引き起こしているから[特定の対応]をして欲しい。

最終的にかなり汚い言葉で「怒っている」と伝えたところ、前回の記事で「相手をほめるような部分もありそれが苦痛だった」と書いてきた。どちらかというと双方のやり取りに呆れているのだが、自分に味方してくれない=敵を評価しているという理解になっているらしい。

別のところで考えてもよいのだが、どうやらコミュニケーションに問題があっても、党派対立には鋭い感性を示す場合が多い。これがネットが炎上する直接の原因になっているものと思われる。だが、この心情がよくわからない。問題があった場合、どちらか一方が悪いということはありえないと思うからだ。

これがこの人特有の問題なのかという点はよくわからない。割と日本人一般に見られる問題なのかもしれないと思う。日本人のコミュニケーションは経験を共有していることが前提になっているので、ネット越しで会ったこともない「他者」との会話ができない。そもそも「~だから~である」という形式で説明することに慣れていない。

そこで突然「わかってくれない」と怒りだすことがあるのだが、これが「こどもっぽい」という評価にはつながらないことも多い。意外と偉い人が「説明責任」という概念を理解できない場合もある。「わかってくれない」ことは受け手側の罪になってしまうのだ。そして周りの人たちは「騒ぎが起きた」ことを問題にする。

説明をするという基礎技術が身につかないので、さまざまな議論は「敵味方」という極端な構図になりがちだ。最近では、憲法改正を唄っていた民進党が護憲派ということになり、TPPは日本を滅ぼすといっていた稲田朋美(現大臣)がTPPを推進するというようなことが起きている。立場と文脈に従って議論のプロセスも結論もすべて変わってしまう。当然、これを前提にしたTwitterの議論も人格攻撃に終止することになる。何の問題を解決したかったのかということはあまり省みられていないようだ。

冷静に考えてみて、当該のエントリーを削除しても何の影響もないなあとは思った。誰も読んでいないからだ。読み直してみたところ、特定のTweetが引用されていたのでそれは削除した。世間に迷惑をかけているとしたら、推敲されておらず文章がめちゃくちゃだったことだろう。例示のために出した文章から話が流れてしまっている。

一応、このブログのテーマは「なぜ伝わらないのか」というものなのでプロセスは残したい。なんとなく「文脈を共有しないことが問題」というアタリはあるものの具体的な問題が何なのかよくわからない。

「忙しいから後で書く」ということなのだが、書いても因果関係がよく把握できない文章が来るんじゃないかなあという気はする。相手はスマホで書いているようなのだが、まとまった文章を書くのには向いていないのでないだろうか。そもそも朝の忙しいときに「あの文章を削除してもらおう」と思ったことになる。

今回の出来事で、長い文章を書いたところで相手に論理的構成が伝わっているとは限らないんだなあという感想を持った。そうした人たちは文章というものをどのように理解しており、どれくらいの読み手がそうなのかというのはとても気になるところだ。

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