期待が持てそうな大塚耕平新代表

久々に希望が持てそうな政治の話題だ。大塚民進党新代表が予算委員会での質問に立った。これまでの野党といえば決めつけた言い方で政府を批判しするばかりだったのだが、大塚さんは一味違っていた。

大塚さんは「わからない」が言えるのである。

野党が批判に傾く理由は自分たちも実は何をどうしていいかわからないからである。また日本人はせっかちなので、ついつい「批判ばかりでなく対案を出せ」などと言ってすぐに正解を欲しがる。そこで議員立法をとりあえず100本出しましたなどと言って威張ってみせる。

しかし大塚さんは経済指標などの統計データを示しつつ「わからないから統計の取り方も含めて一度相談をしてほしい」と言っていた。安倍政権は「アベノミクスのおかげですべてはうまくいっている」ことになっているのだが、経済実感としては景気がよくなった感じはしないし、実際に給与所得などは下がっているようである。指標と実感が違っているということは、統計がどこかで間違っているか、故意に隠蔽している可能性が高い。おそらく実際には両方が起こっている。

政府が様々な対策を立てていることは確かだし、日銀の政策も「異次元緩和」と呼ばれるくらい思い切ったもののはずである。しかしながらよくならない。どこかで何かが間違っているはずなのだが、何が間違っているのかがわからない。だから現在の正解は少なくとも経済に関しては「何が間違っているか」を探すことなのだ。

何が間違っているのかを探すためにはまず、どこが間違っているのかを見つけなければならない。だが、経済についてわからないと「いったいどこが間違っているのか」すらわからない。だから大塚さんのように少なくとも「何がわからないか」を説明するのはとても大切でとても難しい仕事なのではないかと思う。

もし仮に民進党が政権をとっているとこんな悠長なことは言ってはいられない。だが自民党の政権が続きそうなのでこの際「何がわからないのか」を整理してみるのもよいかもしれない。

 

多分、大塚さんのこの提案が受け入れられることはないだろう。安倍首相の顔を見ていたが全く興味がなさそうだった。自民党には問題意識が全くないようで、午後に質問に立った山本一太議員などは自分の自慢話を披瀝しつつ「俺はこれがやりたいから、大臣は賛成しろ」と騒ぎ立て、大臣たちの「それはいいですね」とのお愛想に大喜びしていた。

また、安倍首相は情報を独占することで優位に立てると考えているようで「民進党に情報を渡してなるものか」と考えているのではないかと思う。この人のリーダーとしての度量のなさには呆れるばかりだが。多分「知らないから勉強しよう」などとは全く思わず「数字が悪いんだったらなんか料理して持って来なさいよ」などということを期待しているのではないかと思う。

少し心配なのは野党支持者が安倍憎しのあまり「大塚さんはなまぬるすぎる」などと言い出すことである。確かに安倍首相を攻撃してわずかばかり支持率が下がるのを見るのは楽しいかもしれないが、政権交代が起こるほどに下がるわけでもなく、一方的な攻撃はあまり建設的ではないと思う。

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