アフター・コロナが安倍総理では乗り切れないたった一つの理由

本日は「アフターコロナは安倍総理では乗り切れないのではないか」ということを書く。こう書くと「では誰がいいのか」ということになるだろうし、そもそもアフター・コロナやポスト・コロナとはどのような世界なのだろうかと思う人もいるだろう。




先日、WHOの総会(WHO)でこんなことがあった。トランプ大統領がWHOを非難する姿勢を鮮明にしたのである。その後トランプ大統領はWHOへの拠出を止め「パートナーシップを終了した」と表現した。事実上の脱退でありドイツはこれを非難している。トランプ大統領の構想は台湾を引き入れてWHO改革をするか別組織を作るかという選択だった。だが安倍首相はトランプ大統領に再考を促すことも同調することもしなかった。

このところ米中は対立姿勢を鮮明にしている。アメリカと中国の双方に原因がある。

アメリカではオバマ政権を否定することだけを目的に様々な政策の否定が行われた。今回、全米各地で暴動が起きているがこれももともとはオバマ政権からの揺り戻しが原因の一つになっているそうだ。おそらくオバマケアの否定も貧困層への新型コロナウイルスの蔓延の原因になっているのだろう。そればかりかトランプ大統領によって勢いづいた白人至上主義者が暴動を加速させたのではないかとさえ言われている。

例えは悪いのだがトランプ大統領はいろいろな問題に火をつけて逃げてしまう。今回はそれがまとめて発火している。だがトランプ大統領は責任をとらない。北朝鮮問題をみるとわかるように新しい対立が起こるとそちらに夢中になり古い問題を忘れてしまう。今夢中になっているのが中国たたきである。11月の大統領選挙に向けて「安倍総理がアメリカを支持している」という形を作りたいのだろう。G7は9月に延期になった。トランプ大統領としては11月に間に合わせたいのではないだろうか。目的は中国を排除した国際協調の枠組みを作ることである。

安倍総理はアメリカとは距離を置きたい。自民党の中に親中派がいるからだ。だが親中派にあまり近づきすぎると今度は反中国派に反発されることになる。反中国派はそのまま対米依存派でもある。つまりこれは安倍総理に取っても国内問題だ。おそらく今回発火した問題がそのままおさまることはないだろう。つまり安倍総理は国際問題とリンクした国内問題を抱え続けることになる。

ところが中国も問題を抱える。ザンビアで中国人が3人殺された。中国人の経営者が「新しい白人」のように現地の市場を搾取しているという反発がある。日本では単純労働者という印象が強い中国人だがアフリカではお金持ちとして現地に入り込んでいるようだ。記事を読むとリトルチャイナを作り現地人を雇用していなかったようである。アフリカは単にインフラと安い物価を利用されているだけなのである。これは新しい植民地主義であり持続可能ではない。そういえばイタリアで新型コロナが蔓延した時にもイタリアにある中国のアパレルタウンが問題になった。中国はいろいろなところで新しい植民地主義を展開しているのだ。国全体を支配するのではなく利権を確保して小さい街を中国色に塗り替えてしまうのである。

実は日本も同じ問題を抱えている。観光客は取り込みたいし安い労働力も欲しい。だが、国の内部に中国人街を作られるのは困る。隣国との関係は非常に難しい。

香港の問題も今後大きな軋轢を生みそうである。アメリカやヨーロッパは民主主義を支援するという姿勢である。台湾情勢も緊張している。中国軍の幹部は「中国が分裂するような事態ともなれば軍事介入も辞さない」という姿勢だそうだ。ところが日本は香港情勢について中国を非難しなかった。単に憂慮を示しただけで事実上中国の姿勢を容認してしまった。

安倍政権に限らず日本政府はこれまでどっちつかずの態度をとることでやり過ごしてきた。このやり方はそれなりにうまくいっていたと言えるだろう。だがそのやり方で今後も行けるかどうかだんだんわからなくなりつつある。

アフター・コロナはおそらく米中対立の世界である。WHOはその舞台の一つになっている。そしてアメリカは問題を拡大することはあっても解決することはできない。在日米軍は「張り子の虎」くらいの役には立つだろうが、東アジアの問題は日本が自力で解決しなければならない。

安倍総理は自ら毅然とした態度をとることがとても苦手である。これが安倍総理が続けられない理由である。

自民党には中国とビジネスをして利権がほしい人たちや中国からの観光客で儲けたい人がいる。おそらくアフター・コロナではすぐさま国境を開けて中国からの観光誘致に国費を使いたいと考えているだろう。ところが一方で中国に反発している人たちも多い。国家安全法に反対する署名は最終的には100名を超えたようである。野党不在の今、自民党には対立する二つの路線が育ちつつある。

これまでは中国との実利的な関係を保ちつつ表向きは共産主義の脅威を煽っていればよかった。ところが状況はこの数ヶ月で劇的に変化した。今後は現状を細かく把握しながら物事を進めて行けるリーダーでなければ務まらないだろう。

安倍総理は緊急事態宣言を解除する会見の中で「G7へ出席してアメリカとともに世界をリードする体制構築を力強く進める」旨の意思を表明した。ところが程なく調整へと追い込まれた。ドイツは出席しない姿勢を明確にしているフランスは出席という姿勢であり対応がまちまちになっていた。トランプ大統領はロシアも招待すると言い出しロシアはロシアで対等な発言権があれば入ってやってもよいといっている。極めて外交的な動きになっているのである。結局、とりあえず9月まで延期が決まったが問題が先延ばしされただけである。

安倍総理は今あるコロナから逃げ出したいという思いで頭の中がいっぱいになっており今どこにいるのかがわからなくなっているのだろう。だがおそらく総理が逃げ出したい先は国際政治のホットスポットであって決して単なる写真撮影スポットではない。だが安倍総理は今いる場所から逃げ出すことは可能だ。総理大臣をやめてしまえばいいのである。

これまでの勝ちパターンだった突然の衆議院解散もできなくなりつつあるそうだ。選挙に勝てないとなれば自民党の中で後継選びが加速することになるのではないかと思われる。こうなるとさらに針の筵だろう。投げ出すことが予想されるのであれば、あらかじめ花道を作って送り出した方が混乱が少ないのではないかと思える。

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