共同通信が自民党議員たちの心をざわつかせた話

日本、中国批判声明に参加拒否 香港安全法巡り、欧米は失望も」という共同通信の記事がTwitterで騒ぎになった。ただいつものように一般有権者が騒いだのではなかった。国会議員が騒いでいたのである。

まず、最初に確認しておくとこれはワシントン共同である。つまり、ワシントンの誰かの話を聞いて書いている。日本の外務省が出先からリークしたのかもしれないが、おそらくアメリカの誰かの話ではないかと考えられる。後段で「欧米との亀裂云々」という話が出てくるのだが誰がどのような目的で書いたのかはわからない。 




いずれにせよ、この話のキモは「参加拒否」という強い言い方だ。ほとんどタイトルだけで読ませようとするブログのような感じである。

このタイトルの意味は二つ考えられる。一つは「左より」の共同通信が(Twitterでは共産党の機関紙であるとまで非難されていた)が親中国の姿勢を鮮明にしようとしてこういうタイトルをつけたという説である。

もう一つはアメリカ側が「日本の姿勢に失望した」という情報を流したというものである。文章の前段に「米国などの」と書いてあるのだが「みんなが失望していますよ」というのは「俺は失望してるんだ」という意味なので、おそらくはアメリカの誰かが失望して怒っているということなのだろう。

仮に自分が扇動する人の立場だったとする。おそらく「俺は怒っているんだぞ」アピールというのは自分たちの支持者に向けて「お前らも怒れ」という意味だ。おそらく日本側から声をあげて欲しいのではないかと思った。

ただ、その期待は裏切られた。Yahoo!ニュースのコメント欄ではそれなりに騒ぎになったようだがTwitterでは議員達が出てきて希望的観測を述べたので却って鎮火されてしまったのである。この反発が安倍政権を動かすことはおそらくないだろう。

扇動者の立場から見ると自民党議員の行動は失望ものだったに違いない。今回は長島昭久議員のTwitterを起点にして山田宏議員と和田政宗議員のTwitterを見た。山田さんは「アメリカの提案には乗れなかったのだがその後日本もヨーロッパも独自で非難をしているので問題はない」としつつも「英語で情報が出回るのは問題だから火消しをしなければならない」と言っている。

アメリカがわかっていてプレッシャーをかけているとしたら、山田さんも和田さんも単に「使えない人」である。山田さんに期待されている役割は自民党の議員の中に賛同者を集めることだろう。つまり中から騒いで欲しいのだ。

和田政宗さんは産経新聞が取り下げたのでこれは誤報だという認識だったのだろうと説明している。つくづく残念な人だが、こうなると何と声をかけていいかすらわからない。記事を書いているのは共同通信であり共同は記事を取り下げていない。産経新聞はそれをうち消す記事を書いているわけではなく単に「あ、これはまずい」と思っただけであろう。あるいは政府の言い訳を書いた記事ぐらいは出てくるかもしれない。

長島議員はアメリカとのつながりがあるようだ。引き続き注視すると言っている。つまり、長島さんだけが「解釈だけをしてこの話を終わらせているわけではない」ことになる。ただ長島さんはアメリカとのつながりはあるが自民党では外様扱いなので(そもそも民主党政権の防衛副大臣だったのだから)それほどまでに影響力が持てるとは思わない。

繰り返しになるが、いわゆる親米派議員というのは一部を除いて単なるフリーライダーになっているのかもしれない。単にアメリカと親しい振りをしているだけで実際には何のつながりもないということだ。恐らくは資金援助の様な実支援は何年も行なわれていないのだろうし地コミュニケーションも取れていないのだろう。ただ議員たちもそれを支持する人達もそれを認めたくない。それがわかれば実はアメリカの後ろ盾がなくなって日本が不安定な立ち位置に置かれているという厳しい現実をみとめなければならなくなるからだ。だからないものがあるふりをしているのだ。

試しに「日本の配慮は中国に伝わったか」という意地の悪い質問したところ、中国系のお名前の2人を含む4名から回答がついた。フランスのマクロン大統領は習近平さんと会談したようである。これも日本では一国二制度について従来の主張を展開したというようなタイトルになっていたが支援の話もしている。人民日報は当然フランスと協調路線をとったと書いている。おそらく両方内容まで読まないと異なった印象が残る。

つくづく政権末期というのは恐ろしいものだなあと思った。いろいろなところから直接SNSに情報が乱れ飛ぶのだが誰もそれをまとめたりしない。民主党政権でも同じようなことがあったが、そのうち支持者たちは「あれ、これは何かおかしいのでは?」と気がつくことになる。安倍政権はこの状態に突入した。

さらにそもそもトランプ政権と安倍政権というのは本当に通路がないんだなと思った。イメージでは共和党政権は自民党との太いパイプがあると思っていたのだがおそらくトランプ政権はジャパンハンドラーと呼ばれる人達とは距離があるのかもしれない。ジャパンハンドラー経由で日本側の注文がアメリカに届かなくなると当然自民党党内でも影響力がなくなる。

中国は実利的な関係で自民党の一部の人達と確実に結びついているわけで、あるいは安倍トランプ体制になってからの3年間で日米関係というのはかなり変わってきているのかもしれない。自民党議員の慌てぶりからそんなことを考えた。

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