おそらく安倍政権と政府は国を見捨てようとしている

日経新聞に面白い記事を見つけた。政府が鳴り物入りで始めたアプリで陽性が疑われても検査してもらえない事例が増えているという。「国は国民を見捨てようとしている」と思った。そのあと安倍総理が再び慶応大学病院を訪れたという記事が出た。決まりだなと思った。問題は「国」という主語が具体的に誰を指すかである。




まず、二番目の記事から片付けて行く。前回総理大臣が退任した時は突然にやめて驚かれた。今回はそれを反省しているのだろう。まず大々的に病院を訪れて記者たちを驚かせ時間を置いて病院を訪れた。おそらくは見せるためにやっているのだと思う。結果だけなら電話でも伝えられるからである。

松田公太元参議院議員は総裁選回避という予測をしているのだが臨時代理にすれば内閣も温存できる。この時点ではいずれも単なる予測だがいずれ今回の出来事が何だったかはわかるだろう。

では「国」は何を恐れているのか。その一端がわかるのが冒頭の日経新聞の記事である。会員にアンケートを取り接触確認アプリで陽性反応が出た人について調べた。13,000人の会員がいるそうだが76%がアプリをダウンロードしていたそうだ。日経新聞の読者は善人が多いのだろう。120人が陽性反応の出た人と接触したと出たそうだ。このうち保健所に連絡したのは30人だそうだが5人しか検査が受けられなかったという。

ポイントはいくつかあるのだが、日経が調べなければこの実態は表ざたになることはなかった。さらに鳴り物入りで始めたアプリには意味がなかった。国民が協力的でないからではない。そもそも政府に使おうという気持ちがなかったのだ。政府内で調整ができないということはすでに内部崩壊が始まっていると言っていい。そしてこれが露見すると直ちに方針が転換された。単にマスコミの目に触れて炎上することを恐れているのだろう。

どうも様子がおかしい。どうやら国はPCR検査を絞っているようだ。全て国費だからなのだろう。気軽に受けられては困るのだ。だがそれだけではなく、保健所の費用も絞っているのだろう。保健所は文句を言わず検査を絞ることで「防波堤」の役割を示しているようだ。

ただテレビはこのことについて触れなくなった。おかしいとは思っているようである。盛んに要望は伝える。だがそれ以上のことは言わない。非民主主義国なら何かを恐れているのではないかと思えるのだがおそらくそうではない。見たくないのだろう。

国にとって国民は納税装置なのだから黙って税金を払ってくれればいい。国民は国庫維持のための道具である。そのための手段は所得税でも消費税でもなんでもいのだ。だが一方で国民は国の重荷になっている。財務省のウェブサイトを探したらこんな資料を見つけた。年金や介護の支出が33%を占めているそうだ。

国民が長生きすればするほど国は支出を増やして行かなければならないという現実がある。

その上、総理大臣はどうしていいかわからなくなり「国民全員に10万円を配る」と言いだした。自民党議員は観光業に金を配れとか和牛が大切だと騒いでいる。おそらくもっと上手い使い道はあっただろうし、全国の知事に協力してくれと言ってもよかった。でも今の自民党にはそれができなかった。安倍総理は慌てふためいて学校を止めて布製のマスクを配っただけである。

おそらく財務省筋の人たちは「こんな人を総理大臣に据えておいては何をされるかわからない」と思ったのではないかと思う。黙っていてもこの国は数代ののちに傾く。国の金が国民に吸い尽くされる。彼らは本気でそう思っているのではないか。あるいはそれは彼らなりの正義感なのかもしれない。

そうなると頼りになるのは麻生副総理である。

おそらく「国」は安倍総理大臣ごと隠蔽してしまうことで「これ以上出血をさせない」道を選んだのだろうと思う。これ以上出血させないということは現場のがんばりと情報統制によってなんとか炎上を食い止めるというような状態である。そのためには多少荒っぽい手段もやむをえない。国庫の危機だからである。

まだ確定的なことはいえない。もちろんこの予測がまったく外れることも考えられる。だがこの予測が正しければおそらく二階・菅ラインが遠ざけられて麻生副総理に近い人が要職を占めるような布陣になるのではないかと思われる。石破茂ラインも論外だろう。地方に優しいということは財政出動派だからである。

中には政権交代で重要なのは対中国対応だと思ってはしゃいでいる後継者候補もいるがおそらく国の関心事は国庫ではないだろうか。

その意味では今回の政権交代は重要である。松田さんの言うように総裁選回避なのかそもそも政権交代をせずに臨時代理を置いて財政出動派を放逐するのかはわからない。いずれにせよ政権を金で買いたい人は排除したい。そのためには選挙がない方がいい。だが選挙によらない政権交代は国の国民に対するクーデターみたいなものである。

あるいは財政出動派が出てきて麻生さんと対立するかもしれない。これまでも麻生さんは何回か党内で「包囲されて降ろされて」いる。おそらく麻生政権のあとで民主党政権になったのは偶然ではない。財政健全派の官僚組織は抑えているが自民党では人気がないのだろう。選挙が苦手だしやりたがらない。だから負けるのである。

内部対立の状況は明確になってきたと思うのだが、決着には時間がかかりそうだ。秋冬に大きな流行がないことを祈りたいが、今のような調子でも補給路を断たれた医療や観光業の現場は疲弊しつつ一つひとつ潰れて行くのではないかと思う。すでに総合対策をせなくなっている大臣たちは「第二波なのかもしれないがなんともいえない。なぜならば第二波には定義がないからだ」と言っている。

おそらく今の「国」が心配しているのは新型コロナではなく「国庫」である。おそらく政権中枢の人たちは「国とは国庫のことだ」と思っているのではないだろうか。

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