トランプ大統領の破綻した富豪生活

New York Timesがトランプ大統領の所得税について緊急レポートを出した。15年のうち10年は所得税を支払っておらず大統領に就任した都市とその翌年には750ドルしか支払っていないという。これについては早くも「脱税ではないのか」とささやかれている。また、この時期に誰かがリークしたんだろうなと感じた。大統領選挙まであと一ヶ月でありバイデン候補との討論会の二日前だった。




Google翻訳で長い長い文章を読んだのだが「意図的な脱税」という印象は受けなかった。代わりに感じたのは「綱渡り」という印象である。ビジネスの鉄則は継続性(going concern)だから、経営者という意味では破綻していると行って良い。

アメリカは事業で莫大な損を出すと将来の所得税を免除してもらえる制度があるそうだ。トランプ大統領はこの制度をフルに活用している。だが「事業で損を出した」というのは自己申告なので「これは課税逃れなのではないか」という評価が出ている。だが、本当にそうなのかとも思う。

トランプ大統領は経営者としては破綻していると行って良い。父親から莫大な遺産を継承しこれを「溶かしてしまって」いる。課税逃れだったのかそれとも資質によるものなのかはわからない。おそらく両方であろう。

そもそもトランプ大統領は過去にも事業の失敗を経験している。つまり実業家として優れた業績を持っているわけではない。にも関わらずトランプ大統領はテレビ番組アプレンティスで自分は優れたビジネスマンであると主張してきた。

Ultimately, Mr. Trump has been more successful playing a business mogul than being one in real life.とニューヨークタイムスは書いている。つまりこのイメージが演技だったと書いている。おそらくこれは虚像だったのだがこの「アプレンティス」が実際にテレビタレントとしてのドナルド・J・トランプに富を運んでくる。

トランプ大統領はこのアプレンティスで「自分は優れたビジネスマンである」というイメージを植え付けるのに成功したばかりか4億2,740万ドルという巨額な収入を得た。だが、記録ではこの収入を全て事業に投資し損出を出したことになっている。そして実際に富は底をつきかけているようである。

CNNの後追い記事を読むと3億ドルを超える個人負債の期限が迫っているそうだ。これが支払えないと事業を売却する必要が出てくるという。なりふり構わず蓄財に走る可能性もあるだろう。CNNはお金に困ったトランプ大統領が外国企業と組んで何をしでかすかわからないと煽るような論調である。

この危険性は日本にも直接被害をもたらすだろう。全ての外交交渉が自分の借金返済のためのディールに利用されるからだ。いうならば日本は詐欺師に国家の命運を預けているという危険な状態に自らを置いていることになる。菅政権の「安倍外交の継続」とはつまりそういうことである。

これまでも日本人はトランプ大統領の危うさに見て見ぬ振りをしてきた。トランプ大統領は悔過を気にしない。北朝鮮がうまくゆかなければそれを忘れ新型コロナ対策で失敗したらそれを中国のせいにする。そうやっているうちに時間が過ぎてゆき疲弊するのは周りばかりという図式である。日本はこのトランプ外交に片足を突っ込み加担もしてきた。

この記事を書くにあたってニューヨークタイムズは誰かからのタレコミ情報をそのまま右から左に流したのではないかと思った。タイミングが良すぎるからである。だが記事を読み進めてゆくとThe Times examined and analyzed the data from thousands of individual and business tax returns for 2000 through 2017, along with additional tax information from other years.と書かれていて一朝一夕に成し遂げられるものではないことがわかる。あるいは最後のピースが埋まらず情報提供に頼った可能性も考えられる。ニューヨークタイムズはこの情報ので元を明らかにはしていない。

これでトランプ大統領も一巻の終わりだなと思えるのだがそうはいかないところがアメリカ政治の興味深い点である。おそらくコアの支持者たちがこの報道を気にすることはないだろう。これはアメリカの伝統的な価値観に対する攻撃であってフェイクニュースだと信じているからである。彼らはテレビで作られた虚偽の富豪像を信じSNSを通じてアメリカが攻撃されているというメッセージを受け取り続けた。トランプ大統領はテレビが作り出しSNSが育てた怪物であると言える。

大統領は選挙に負けても「郵便投票の結果が出るまでは勝ち負けが確定しない」などと言い張って粘り強い法廷闘争を繰り広げるのではないかと思える。実際に郵便投票の集計には時間がかかるようで直接投票の結果が開いた時点では「トランプ大統領の勝利」が伝えられる可能性もあるそうだ。おそらく11月の選挙は終わりではなく泥沼の始まりになるだろう。中には下院のナンシー・ペロシ議長が暫定大統領を務めるのではという観測もささやかれている。

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