「腹筋運動ではお腹は凹みません」だそうだ

最近、姿勢改善にハマっている。「正しい立ち方がわからない」と考えだすと時々このテーマにハマる。色々工夫しているうちに「何がわかっていて何がわからないのかがわからなくなってくる」というのがおきまりのパターンである。そんな時、図書館の目録に「腹筋運動ではお腹は凹みません」という本があるのを見つけた。新型コロナで気軽に図書館に行けないので本を取り寄せてみた。最近は待機時間が必要で本の取り寄せに一週間かかる。ウイルスが死ぬのを待っているのだそうである。




主に女性向けに姿勢改善の本を書いている森拓郎という人の本だ。YouTubeでもチャンネルを持っているようである。「腹筋は効率が悪い運動なので立ち方と呼吸で体型を維持しろ」と書いている。

なるほど、と思った。

腹筋運動をするとお腹が出てくる。筋肉が厚くなるので当たり前である。だからそもそも腹筋をやっていてもお腹は痩せない。これはわかりきったことである。「筋肉質の人の中にはお腹がぽこっと出ている人もいる」と森さんは書いている。

姿勢改善について期待して読んだのだが、森さんの姿勢矯正方法はあっさりしていてちょっと物足りなかった。まず足の親指・小指・かかとに力が入るようにする。少し膝を曲げて足全体で地面を掴むようにするのがコツだそうだ。ただそれだけしか書いていない。NGの姿勢として「腹出しの姿勢は良くない」とか「胸が反るのは良くない」などと書かれている。

特に「骨盤を正しく立てる」という動作が詳しく書かれていない。動画で見る方がわかりやすいという事情もあるのかなと思い、YouTubeで「骨盤を立てる」と検索すると今度は情報が多すぎる。色々試行錯誤した結果をまとめて欲しいと思うのだがそれがない。

おそらくスポーツインストラクターや整体師という人はそもそも姿勢がちゃんとしていてこの辺りを深く考えたことがないんだろうなと思った。そうなると彼らがどうやって正しい姿勢を身につけたのかが気になる。

この本は多くの部分を、腹式呼吸・胸式呼吸・背中呼吸のガイドに当てている。まず腹式呼吸と言われているものは実は横隔膜呼吸である。みぞおち付近が動くわけであってヘソで呼吸をするわけではない。

次に胸式呼吸について書いている。お腹を引き締めたままで(つまりインナーマッスルを意識して体幹を鍛えるために)呼吸をするやり方だ。肋骨が広がる感覚を感じながらゆっくりと呼吸をするそうだ。要するに普段から体幹を引き締めて生活しましょうということを言っている。

ただ最後の背中呼吸のところまでくると何だかよくわからなくなる。要するに様々なパーツを動かして上半身全体で呼吸をしようと言っているだけなのだ。確かにそれは痩せるだろうなとは思ったのだが背中に呼吸を支える筋肉はない。背中呼吸の後は各部のストレッチの話になっているので全体を総動員しようといっていることはわかる。例えば、最近「肩甲骨剥がし」が流行っている。肩甲骨を緩めることで胸式呼吸がやりやすくなる。

要するに「正しく呼吸するために体をゆるめましょう」「でも胸から上は総動員して呼吸をしましょう」と言っている。

結局は「きれいな姿勢をとると自ずから姿勢が整う」と言っているだけにしか思えない。結局、この本を読んで「スポーツが得意な人はすっと立つと自動的に姿勢が整う」と考えるのだろうなということはわかった。だが、体を動かした経験があまりない人はそうはならない。体育教師が運動が苦手な子供を指導できないのと同じことである。

スポーツが得意でない人や体を動かす習慣のない人は「正しい姿勢」をどうやって体得するのだろうか。逆に謎が深まったような気がした。

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