トランプ大統領が1月20日以降もホワイトハウスに居座ったらどうするのか?

トランプ大統領があの手この手で負けたことを認めようとしない。このためアメリカでは政権移行がきちんと進むのか?という懸念がでているようだ。




Quoraでいつも参考にしている人の回答によると「トランプ大統領が法廷闘争に持ち込む」とシナリオが懸念されているそうだ。トランプ大統領は法廷で勝つ必要はない。1月20日に大統領が確定しないと大統領選出の舞台は議会に移る。下院では民主党有利だが上院はまだ確定していないものの共和党有利になる可能性が指摘されている。上院と下院で結果が違うと混乱する可能性があるという。もっとも上院の共和党議員の中にも「流石にそんな企てには加担できない」という人がいる。

つまり不確定なのだ。

権力移行が平和に行われる保証がないのは何もアメリカに限った話ではない。このところ大統領選挙でもめている国は多い。新型コロナウイルスで国民が苛立っているというのも無関係ではないだろうしあるいは大国の干渉がないために潜在的な対立が顕在化したのかもしれない。ペルーでは大統領が議会から弾劾された。国民に人気のある大統領だったのだが議会からは嫌われていたようだ。議長が新しい大統領になったのだがデモが起きた。結局議長は退任し一週間で三人の大統領が生まれるという異常事態に陥っている。キルギスでは議会選挙の混乱から大統領が退任し政情が混乱している。ウガンダでは大統領候補を逮捕した結果混乱が起き37名が亡くなったそうだ。ウクライナでも大統領選挙がらみのゴタゴタがあったばかりだ。

権力の移譲が混乱するのは決して珍しいことではないのである。

特にアメリカ合衆国の混乱に注目が集まるのはアメリカ合衆国が「政情の安定した成熟した民主主義の国」と見なされているからだろう。

トランプ大統領の居座りは早くから懸念されていた。Quoraの英語版には「ホワイトハウスから大統領が退去しない場合、誰が大統領を退去させるのか」という質問がある。今回出されたものではなくかなり古くからの回答がついている。あの人ならやりかねないと思われていた人がやっぱりやったという感じなのかもしれない。

想定されていないのでもちろん正式な決まりはないのだが「シークレットサービスが連れてゆくことになるだろう」という様な漠然とした回答がいくつもついている。ホワイトハウスは占拠できないにせよ最後までエアフォースワンは使えるのだからロシアに亡命するのでは?とした回答もあった。最後まで劇場型・リアリティショー型の政治が続きそうだ。

米軍は大統領選挙とその後の権力移譲に介入しないことになっており早くからそのための意思表明をしている。ところがそれでもエスパー国防長官が解任された。後任人事には議会承認が必要だそうだが国防長官代理であれば議会承認は必要とされないという。このため「議会を無視して暴走するのではないか」と懸念する人も少なくない。さらに高官も辞任している様で現在の米軍の司令系統がどうなっているのかは実はよくわかっていない。

こうした緊迫した状況が続く中で日本でもトランプ大統領の勝利を信じて疑わない人たちがいる。その抵抗運動は日本のTwitterで密かな盛り上がりを見せている。大統領制でもなく日本の政治にも関係のない大統領選挙がなぜここまで人々の気持ちを惹きつけるのかがよくわからない。

おそらく安倍政権下で「インテリの逆張りをすればドローに持ち込める」という成功体験をした人がトランプ大統領に対しても同じアプローチを試みたのだろう。だがそれがうまくゆかないので焦っているのではないか。

安倍政権や菅政権を支えていたのは「政治にいろいろ行ってみても仕方がないし」「民主党政権の混乱に比べれば変化しない安倍政権の方がマシ」と考える政治的無関心だったのだろう。それでも実生活では頭が上がらないインテリの嫌がる顔を見ることができるということを学習してしまった人が大勢いた。問題の解決を諦めて権力者気分に浸った方が日本では楽な道なのだ。

だがアメリカの民主主義の仕組みは日本より進んでいる。さらに大統領という役職ではなく憲法に忠誠を尽くすという独特の文化もある。だから日本の政治を語る様にしてアメリカの政治に首をつっこむことはできない。いったん言い出した以上後には引けない。だから言動が過激化するのではないだろうか。

アメリカの民主主義が日本よりはまだマシな状態にある。

民主主義に疲れてしまった日本では菅総理が自らの肝いりで始めたGoToキャンペーンをやめられずにいる。どうせ新型コロナはコントロールできないと官邸は諦めている。だからやってる感を演出するために支持者たちを喜ばせることに専心しているのである。

前回の冬と同様に専門家が独自に情報発信したため、官邸は慌てて見直しに着手した。世論の後追いをすることが菅内閣には珍しくない。しかし失敗は認められないので「都道府県の方からお願いしてくるならキャンセル料など相談に乗っても良い」とあくまでも上から目線である。これも今まで通りである。

せめて統治者気分を味わいたい人たちにはこれが受けているのだろうが、具体的な指示がないまま多くの観光事業者も観光客も戸惑っている。実はアメリカの大統領選挙の心配よりも日本の新型コロナの方が大きな脅威だし「どうせ何もできない」という無力感も厄介だ。

なぜか人々の関心はそちらには集まらない。あまりにも直視するのが辛い現実だからである。

Google Recommendation Advertisement