自民党不在の千葉県知事選挙が終わった

千葉県知事選挙と千葉市長選挙が終わった。ほとんど注目されない中で前評判通りの候補者が勝ったという印象である。一部報道は自民党の足並みが乱れたと書いていたが地元で見ている分にはそのような印象は持たなかった。少なくとも2009年のように自民党が敵視されているというような選挙ではなかった。ある意味自民党が溶けている。




千葉県知事選挙

千葉県知事選挙では前評判通り熊谷前千葉市長が当選した。自民党は有力な候補を立てられず若い県議会議員を擁立した。関さんは今回は及ばなかったがまだ40代前半ということもあり、政治家としてはいくらでも伸び代があるだろう。

当初はもっと差が小さいだろうから市町村別の得票数を見ないと状況はわからないだろうと思っていたのだが、結果は140万票対38万票と「大差」だった。

自民党の地方組織が壊滅しているとは言えないと思うが、中央からの統制を失っている状態はよくわかる結果になった。NHKが市区町村別の得票率を出しているのだが地方でも関さんの票は伸びなかった。

例えば八千代市は豊田俊郎参議院議員の地元だ。ここでは熊谷候補が45,000票取っていて関さんが10,000票まで「追い詰めている」。だがこの程度なのである。南房総にゆくと熊谷さんの1/2ほどを関さんが得票している地域がある。

自民党中央(永田町)が無関心だったからなのか知名度がある候補がいなかったのが原因なのだろう。

だが、実は森田健作候補は台風災害の時に「何もしてくれなかった」のが得票低迷に繋がったのかもしれないと思った。ブルーシートがいつまでもなくならない地域で自民党に期待し続けるのは難しかっただろう。

あいにくの雨だったが投票率は38.99%だった。争点なき選挙の割にはまずまずと言ってよいのではないか。

千葉市長選挙

千葉市長選挙も選挙戦は盛り上がらなかった。「千葉市長後継の前副市長」ということだったがもともと自治省系の総務官僚なのだそうだ。少しだけ不安の残る候補だった。だがこのため却って自民党系議員が応援しやすかったのだろう。熊谷市長を承認するためだけに行われた前回選挙よりも投票率は高く45.03%だったそうである。

神谷さんが20万票獲得し自民党の一部が応援した小川さんは9万票しか獲得できなかった。過去最高の得票数だったことから「相乗り」効果の高さがわかる。ただこの過去最高で猪瀬東京都知事を思い出した。石原慎太郎の威光で獲得した数字だったがそのあとは必ずしもよくなかった。同じようなことが起こらなければいいがと思ってしまう。

自民党の一部が推した小川候補は若いが元市議会議長だ。議長を持ち回りしてお互いに箔をつけるという風習がある。桜田議員の元秘書ということでポスターに桜田議員の顔はあったが最後まで永田町の顔は見えない選挙戦だった。おそらく小川さんは「手応えのなさ」を感じて焦っていたのだろう。

形勢が不利なほうが敵対候補の悪口を言いふらすというのがお馴染みだ。おそらくどこかの選挙事務所に行けば神谷前副市長の悪口を聞かせてもらえたと思うのだが、あいにくコロナで選挙事務所が相手いない。

結局街に「全総務官僚」市長であるというポスターが掲出されていた。明らかに誹謗中傷なのだが誰が貼ったかは書いていない。

ちなみに会の名称である「市民が主役」というのは小川候補の公約だった。熊谷候補は一貫して赤を使っていて小川候補は青を基調にしていたので状況証拠は整っているという感じである。

熊谷県知事候補が24.4万人のフォロワーを獲得していた一方で、小川市長候補のTwitterのフォロワーは3,000人を達成できなかったようである。ちなみに神谷俊一候補は緑をカラーにしているようだがTwitterのフォロワー数は3,000を少し超えたところである。

SNS時代の選挙を感じさせる結果にはなった。選挙期間は落選運動はできないのでこうしたポスターがSNSで拡散されることはない。だが選挙期間後にこうして「晒されることになる」などと思う人はいなかったのだろう。本人のアカウントや広報アカウントがほとんど利用されていないところを見ると(ご本人たちなりには一生懸命やっていたのだろうが)どう使っていいのかわからなかったのだろうなと思う。

インターネットを使った選挙活動はご本人が普段から使っているのか使っていないのかが如実にわかってしまう。本人が使っていないと「慣れていないな」ということになりフォロワーもつかない。「ちょっと周りに合わせてみました」で支持を得られるほど甘い世界ではない。

いずれにせよ、こういうポスターが貼られているのをみて一人で大爆笑した。明らかに自民党系の元議長を応援しているわけだがおそらく普通の市民はこれが何を意味しているのかということは全くわからないに違いない。ムラの内輪揉めに「市民云々」というのは最高にシャレが効いている。

だが裏返せばこれは神谷前副市長という人が全く知られていないということでもある。これまでも無名だったし選挙期間にも選挙カーを見ることはなかった。千葉市長選挙はそれほど盛り上がりに欠けていた。どちらかというと熊谷人気に助けられた当選と言えるのだが、自治省あがり(前総務省官僚)による弊害は何か出てくるかもしれないなとは感じた。

いずれにせよ、熊谷新県知事は微増している新型コロナ対策の陣頭指揮という厳しい仕事が待っている。無策だった森田県知事に比べればIT戦略は得意だと思う。これからは県市協力体制ができる。新型コロナ対策においては安心安全も大きなテーマなので市民広報に力を発揮していただきたいと感じる。

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