ミャンマー民主化のために私たちができること

Quoraにミャンマー民主化のために日本政府ができることは何ですか?という質問があった。いろいろ調べてみたのだが「その前に日本人一人ひとりができること」は何だろうかと思った。そもそも、我々はミャンマーと日本の関わりについてあまり知らないなとも感じた。




実はミャンマーの政治難民が問題になったことがあった。治安部隊が反政府組織に対して発砲して難民が発生したのである、UNHCRが「各国への分配」を試みた。それが第三国定住制度である。日本は難民救済制度で多くはない数の難民を受け入れているのだが、そのうちの半数強の322名のミャンマー人を難民として受け入れているそうであるが、さらにそこにパイロットプログラムが加わった。日本は国際社会の「お付き合い」で難民申請を認めている。

UNHCRのウェブサイトには次のようにある。民主党政権から安倍政権にかけての話だ。

2010年、日本は第三国定住パイロット事業を開始しました。この事業を通じての難民受け入れはアジア地域では初めての実施例となりました。このパイロット事業を通じて日本は毎年30名前後の難民を当初三年間受け入れる方針を発表し、2012年11月現在、これまで日本は計45人のミャンマー難民をタイの国境にある難民キャンプから受け入れました。2012年には、パイロット事業の実施がさらに2年延長される事が決定され、また、対象となるキャンプも合計5つ(2012年に3つとなり、その後2013年3月に5つに拡大)、選考基準もより弾力的に拡大されました。同時に、内閣官房難民対策連絡調整会議の下、市民社会を含む第三国定住有識者会合が設立され、パイロット事業実施後の方策についての協議を行っています。UNHCRは、日本の第三国定住に関する主体的な取り組みを歓迎し、成功に向けて共働しています。

UNHCR 第三国定住

パイロットプログラムは民主党政権時代に始まり自民党も継承したわけだが、この難民受け入れ制度が変わろうとしている。東京新聞が「【動画あり】難民申請者の強制送還を可能にする入管難民法改正案に当事者ら「いじめはやめて」と廃案訴え」という記事を書いている。

申請している間は「日本人と同じようには働けないが追い出されもしない」という状態なので何度でも申請を繰り返す。だが日本は労働力は欲しいが居着いてもらっては困るというスタンスなので「二回申請してダメだったら帰ってもらう」というように改正しようとしているのだ。ステータスが安定しないミャンマー人にとっては「殺されるかもしれない」とういうことになる。

日本人は中国に対する対抗心から政府の「全ての人権侵害に反対する」というステートメントは歓迎する一方で、外国人は安価な労働力としては歓迎するが居着くのは許さないという人が多い。便利に使いたいのだが仲間としては迎え入れたくないという国である。このためステータスが安定しない人が多くいて「追い出されたら殺されるかもしれない」と怯えていることになる。

日本は非キリスト教圏の国としては比較的民主主義が定着していて、ミャンマーと西洋の架け橋になることができる。自衛隊とミャンマー軍の間にも交流があり橋渡しを努めることもできるだろう。現在のミャンマーの状況はかなり混乱していて日本政府が何か言ったところでミャンマー軍の気持ちを動かすことは難しそうだ。だが、つながりを維持することには価値がありそうに思える。

問題なのは、現在の日本政府に世界情勢や民主主義をリードしようという気持ちが全くなさそうなところである。どちらかというと「正面に立つのを避け、周囲の状況を見極めた上で、美味しいところだけを取りたい」という傾向が強い。ただこうした狡猾なスタンスを国際社会は認めてくれそうにない。

こうした狡猾さの一環としてあげられるのがミャンマーの軍産共同体と日本の官民連合の間ににある不動産利権だ。300億円以上かけて不動産投資を行なっていてその金がミャンマー軍に流れているとロイター通信が報じたのは3月末のことだった。だがほとんど知られていないのではないかと思う。ヤンゴン市内都市開発(Yコンプレックス)という事業だそうだ。

この問題の根深いところは日本政府の資金がミャンマー軍の活動を支えているという点である。つまり日本の有権者は政府を信任することで市民の銃殺に力を貸しているということになる。日本政府は認めていないそうだが外国の公的機関がこれほどあからさまに関わっているのは日本だけなのだという。

中国に対しては「人権侵害はいけない」と言っておきながら、実は日本人はミャンマーの政治難民を冷たく処遇し官民ファンドがミャンマー軍に資金提供している。日本はひどい国だ。

では、日本はミャンマーの政治難民たちを受け入れるべきなのかということになる。おそらく日本人にはそのような心の準備はできていない。単に形ばかりの難民を受け入れたとしても現状には大した影響を与えることはできないだろう。罪悪感を払拭するためだけに協力して見せるのはやめた方がいい。大勢の「救われない人たち」を生み出すからである。

すでにミャンマー・タイ国境では難民が生まれようとしているのが、以前からいた難民が10万人もタイ側に残っていて、状況を刺激すればさらに難民が増えかねない。タイとミャンマーの軍隊は親密な関係にあり強硬措置に出られないのだとロイターは伝えている。

この話にはスッキリした落とし所は見つけられない。というより我々には知らないことが多すぎるなと思った。15分くらい調べただけでザクザクと知らないことが出てくる。何も知らないのにヒーローのように出ていってミャンマーの国民を救うことなどできない。まずは知るところから始めなければならないようである。

ただ、ここまで書いて逆にミャンマー人=難民というような印象がついてしまうのかなとも思った。日本で有名なミャンマー人といえば森崎ウィンだが今でもミャンマー国籍を保持しているそうだ。このクーデターが起こる前にアップしたミャンマー語講座もやっている。なぜか2回目には女子を食事に誘う流れになっている。政治的な問題を抜きにして「まずは隣人として興味を持つこと」が重要なのかもしれない。

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