乗り遅れるな! 高齢者へのワクチン接種が始まった

高齢者へのワクチン接種が始まった。情報を受け取れる人とそうでない人でかなり違いが出ているようだ。テレビでは「区によってワクチンの割当量が違っていて不公平である」とやっている。高齢者を中心にワクチンに強い関心が集まっているようだが危機感を共有しない河野大臣は「思ったより要望が多かったようだ」と涼しい顔だ。




ワクチン配給スケジュールが見通せない中、かかりつけ医では個別にリストを作り始めているようである。厚生労働省のワクチン接種会場を見ていると千葉市では現在17病院だけで予約を受け付けている。「うちの近くはまだなのか」と思ってしまう。

そもそも高齢者の患者はおそらくパソコンやスマホの操作も苦手であろうし「まだかまだか」という声もでてくるからだろう。病院は自己防衛のためにリストを作っておいて「準備ができたら連絡します」としているようである。厚生労働省のずさんなシステムに頼ってもろくなことはない。これで当座の混乱は収めることができそうだ。予約システムに頼らなくても済む人には安心だろう。

いつも病院にかかっているような人たちはこれでOKなのだろうが低所得者を中心になかなか病院にかかれない人たちは大変だろうなあという気がする。つまり、普段からの医者との関係で「格差」が生まれていることになる。

残酷な話だが、普段から医者との関係を良好にしていた人たちは真っ先にワクチンにありつけるという状態になっている。つまり勝負はすでについているのである。あとは「気長に待つ」という人が多数なのだろうが、それも追加でどれくらいのワクチンが配分されるのかによって感じ方が変わって来るのではないかと思われる。

例えば、今回ワクチンが優先的に配分された千葉市の病院がどういう基準で選ばれたのかがよくわからない。大きいところが優先的に配分されているというわけでもなさそうだが、あるいは医師会の序列やえこひいきによって決まっているのかもなどと思わされる。

検索すると医師の中にも「私のところにはまだワクチンの連絡が来ていない」という人がいるようだ。この医師は「私のことを後回しにするんだったら地域の活動には協力しない」ということを決めたらしい。これはいじめですか!と言って電話を切ったそうだ。気持ちはよくわかる。

ワクチン獲得競争は自治体の間でも起きているようである。NHKが「都内のワクチン配布 割り当て少ない区から見直し求める声」という記事を出している。「ただ、23区内でもっとも多い葛飾区の47箱に対して、最も少ない港区、品川区、豊島区、荒川区は3箱で、およそ15倍の差があります」とある。担当者が状況に応じて要望を出しただけなのかもしれないが、この報道を見た区民から「なぜもっと熱心にワクチンを誘致しないのだ」というクレームが来かねない。豊島区の直江太ワクチン接種担当部長は実際に「区民からお叱りをいただいた」と言っている。

「こうした格差を是正すべきだ」とNHKはきれいにまとめているのだが、一度接種したら次を打たなければならないのだからワクチンが足りないという状態では格差は是正されないだろう。

同じワクチン格差について書いている首都圏版の記事がある。こちらはもっと明確に書いている。葛飾区はホッとしたと胸をなでおろす。おそらくこれから「多めに要望する」ところが出てきそうだ。一方正直に申告した豊島区は区民から非難された。当然東京都に要望を出す。要するにクレームを入れているのだ。

だがそこはお役所仕事である。ワクチン接種は国の仕事だと言わんばかりに「国が基準を示さないなか、都が、あえて区市町村に希望の量について口を出すのもおかしいと考えた。今回、差が出てしまうことは想定していた」と言っている。私たちはわかっていましたがどうしようもありませんねえと言っているわけだ。

視線は菅総理に向かう。これまでも国は権限を抱え込んで来た。恫喝的に官僚人事を掌握してきたのだから全てが菅総理に向かうのは当然であり妥当であろう。長く政権と敵対してきた東京新聞はここぞとばかりに解説記事を出す。これまでも質問にまともに答えてもらっていないわけだから、あえて弁明は求めない。

  • ファイザーは菅総理と電話協議した後も「協議中」というステータスは更新していない。
  • EUには年内に1億回分のワクチンを追加供給すると確約した。
  • ワクチン接種をほとんど終えているイスラエルとは来年に数百万回分を供給し、さらに数百万回分を追加するオプション付きで契約を結んだ。
  • 河野大臣は「契約は完了していない」と認めた。

東京新聞は名前を書いていないが、日経新聞は「越年の見込み」を発信した人のことを書いている。それが下村博文政調会長である。東京新聞の「政府が9月までにワクチンを確保できたとしても、実際の接種は地方自治体の受け入れ態勢次第で進むため、政権内では接種完了は来春との見方も出ている。」という書き方は極めてわかりにくいのだが、下村政調会長が言いたいのは次のようなことである。

  • 菅総理の努力でワクチン確保すんだ。9月末までに確保できる。
  • だが自治体の協力が得られないので越年するところも出て来るかもしれない。

かなり露骨に自治体を指差して非難している。おそらく日本は国際的なワクチン契約競争に負けている。イギリスは海のものとも山のものとも思えない開発過程からコミットして早期確保に成功したそうだが日本政府は費用を出し惜しんで傍観した。

だが東京都の側も政府の側もお互いを指さして「あいつが悪い」と言い続けている。形勢が悪くなると責任者たちが集団逃亡するというのが日本の負けパターンだが、おそらくその責任は誰かが取らされることになるだろう。二階・小池会談などを見ているとそれは菅総理になる可能性が高いのではないかと思う。

二階幹事長にとっては「見切りどき」なのかもしれない。

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