壮大なギャンブルを始めた菅総理が支配する日本を我々はどう生き抜くべきか

党首討論が終わった。菅総理大臣は前回の東京オリンピックの甘い思い出を語ったが、ワクチン以外の具体策については言及しなかった。枝野代表は菅総理に対した起死回生策がないとわかったのだろう。満面の笑みで議場を後にしたのが印象的だった。枝野代表はにこやかだったが国民は救われないなあと思った。




TBSの報道によると思い出語りは官僚による振り付けだったそうだ。「首相の言葉が響かない」ということで頭のいい人たちがそれなりに悩んだのだろう。そもそも国は最初から国民が何を期待しているかということはわからないのである。

枝野代表は野党と組んで内閣不信任案を出そうとしているようだ。だがオリンピックですら懸念されているのに総選挙など支持されるはずもない。どうせ相手は途中で折れるだろうという打算も見える。観測気球を打ち上げても菅総理がG7から帰ってくるまでには時間もある。打算が透けて見えるのが枝野代表の最大の弱点だが大きく負けることはないという意味で今の立憲民主党には最適解なのかもしれない。組織が壊滅するようなギャンブルに打って出ることはないからだ。それをやったライバルたちは次々に脱落した。

動かないという意味では自民党も似たような戦略をとっている。

二階幹事長はおそらく「菅総理は長くない」と見ているのだろう。安倍総理大臣に接近している。対中国包囲網の議連を作って安倍総理を最高顧問にしたそうだ。麻生・甘利・安倍対菅・二階というラインができつつあったことから安倍総理が麻生・甘利ラインに接近しすぎないようにという意図があるのだろう。中国の美味しいところはしゃぶった。これからは対立の季節になりそうだという冷静な予測があるのではないかと思う。甘利税調会長は安倍総理と別の議連を立ち上げていて二階幹事長の動きに疑問を呈したそうである。彼らの頭の中は「菅後」のことしかないのかもしれない。

石破茂元政調会長は菅総理が総選挙で勝てば総裁選挙はしなくていいのではないかといっている。つまり選挙をやれといっている。菅総理が大敗しなければ次の目がない。みなポスト菅を目指して密かに動き始めた。

みな表立って戦うつもりはないのだろう。菅総理が大失敗することを願っている。こうなると菅総理は今までの作戦を進めるしかない。こうして一人大きな賭けに取り組むことになる。かけるのは国民の命である。

菅総理のシナリオはこんなところだろう。まずG7で「世界のリーダー菅」というイメージができる。G7はオリンピック支持の声明を出す。その後バッハ会長がやってきて日本はオリンピックの祝賀ムードが始まる。金儲けしたいテレビはきっとオリンピックを盛り上げようとするはずだ。この祝賀ムードの中で6月25日から都議会議員選挙が始まる。高齢者のワクチン接種が7月に終わってオリンピックの金メダルラッシュを見れば国民の気持ちは上がるはずである。

めでたしめでたし。

バッハ会長は来日を7月にずらすようだ。できるだけ矢面に立ちたくないのだろう。こうして誰からも祝福されないオリンピックという図式が整いつつある。小池都知事はすでに逃げている。なぜか「菅総理のオリンピック」ということになりつつある。

こうなったら危ない橋を渡ってでもいいからオリンピックを成し遂げた総理大臣として歴史に名前が残すしかない。その余波で総選挙をやり大勝する。国民世論が味方につけば自分のやりたいことができるはずだ。今は総選挙をやっていない仮免許内閣だが選挙にさえ勝てれば本格的な政権が作れるのである。

後手後手の内閣は結果的に他の選択肢を失いワクチン・オリンピック戦略にオーバーコミットしてゆく。

ただコロナワクチンでは死者も出ているようだ。国は結果を公表し「因果関係がわからないから政策判断には影響がない」と断言している。確かに事務処理としては正しいのだろうが、政治は事務処理ではない。TBS・毎日新聞系が報道を始めた。菅総理はワクチンに前のめりになったが犠牲者には配慮しなかった総理として歴史に名前を残すのかもしれない。

我々はのちに「なぜあのような無謀な戦略に突っ込んでいったのか?」という疑問を持つだろう。答えは明白だ。もはやあれしかなくなったので「バラ色の将来」しか見ないようにした結果引き返せなくなったのだ。普段選択肢が多い時にはリスク回避傾向が強い国民性だが一旦動き始めるととてつもなく大きな大博打を厭わなくなる。リスクマネジメントができないが故に両極端に動くのだ。

もちろんワクチンの犠牲者だけがギャンブルのテーブルに置かれているわけではない。夏以降に飲食・宿泊などの犠牲も増えそうである。

緊急事態宣言を全国一律で解除すると8月には再び経済をクローズする可能性が出てきそうである。アドバイザリーボードからそのような予想が出ているそうだ。京都大学の西浦教授の試算だが「自由研究」ではない。専門家はこういっていればいい。「リスク開示しましたが意思決定をしたのは政治家ですよね」と。

こんな状態なのだから「とんでもないことが起きそうだ」という気になるのだが、どうもそうはならない。前回ペルーとブラジルの例を見た。一枚岩になれない議会で汚職が蔓延する。結果的に金権政治とポピュリズムのどちらからか選んでくださいという絶望的な状況に陥ってしまうという世界である。日本はこうならない。皆が下を向いて動こうとしないからだ。

日本でも金権政治は蔓延しているしポピュリストもいる。実際に右派ポピュリズム政党もあるし左派ポピュリストのカリスマのポスターも街中に増えている。だがこうした極端な汚職が政界全体に広がることはない。さらにポピュリストたちが全国規模の支持を獲得するところまではゆかない。地方自治体は粛々とワクチン接種の準備をし官僚組織もそれなりに(政治とは関係なしに)維持されている。とても不思議な停滞型安定社会である。

医療従事者、飲食店など中小零細企業などはかなり悲惨な思いをする人たちがててくるだろうが市民生活のレベルでは自分たちの健康と老後資金を死守しつつ淡々と下を向きつつ暮らすのが正解なのだろう。

議会と議会政治家はあてにならないが普通の人たちは下を向いて自分たちの暮らしを維持していればかろうじてなんとかなるという不思議な社会を我々は生きている。コロナ禍はしばらくは続きそうだ。ここは万事に目をつぶり淡々と耐えるしかないのかもしれない。

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