「政界再編」の流れは見えてきたようだ

このブログは一貫して「政権交代の重要性」について訴え立憲民主党に期待してきた。その心情は大きくは変わっていない。だが同時に5,600名のフォロワーのいるプラットフォームを運営するようになり「ちょっと公の場では立憲民主党を応援するとは言いにくいなあ」という気持ちも持っている。なぜそうなるのかをいろいろ考えていたのだがなんとなく理由がわかった気がする。これについて色々考えていたところ「次の政界再編はこんな感じになるんだろうなあ」というのが見えてきた。




現在人気を集めているのは立憲民主党のような議会内野党ではなく小池百合子東京都知事である。いっけんすると「保守である点が評価されているのでは」とも思える。リベラルには身分差別的な偏見がある。左派は弱者救済を訴えることが多く身分が低いと思われがちだ。だがいろいろ観察してみるとそればかりではないことに気がつく。

小池百合子東京都知事は単にパフォーマンスをしているだけで特に何も成果は挙げていない。希望の党を立ち上げたが役に立たないと思えば見捨ててしまった。さらに同じことを都民ファーストの会に対してもやっている。石原都政で蓄積した財政調整基金をほぼ使い切ったが取り立てて成果が上がる政策に割り当てたわけではない。様々な約束をしてきたがどうなったのかということには誰も関心を持たない。二階建て通勤電車などのアイディアもあったように記憶している。

ただ小池さんは「ごちゃごちゃしている状況」から一貫して逃げ続けている。「ワタシ失敗しないので」というわけだ。おそらく日本人は誰かがごちゃごちゃと争っている状況の中にいる人たちがバカに見えるのだろう。

民主党・民進党・立憲民主党に続く流れは「日本の問題」に着目してきた。これがおそらくごちゃごちゃして見えた理由であろう。安倍元総理はこの「日本のごちゃごちゃした問題」をすべて民主党系の政党に押し付けた上で「悪夢の民主党政権」というラベル付けをした。

安倍元総理のスタンスは今も変わっていない。新潟県で講演をして次のように発言した。

府与党一体となって、皆さんに政治はよくやったと思ってもらえるような、思い切った、ある意味、異次元の対策を打っていかなければならない。

安倍前首相、コロナ対応「思い切った、異次元の対策を」

ただ、もともと菅政権は安倍政権の後継だ。また「その異次元の対策ってなんなんですか?」というツッコミが入りそうなとぼけた発言になっている。そんなものがあるならやっているはずである。にも関わらず外側から評論家的なことを言い続けて人気を維持してはいるがおそらくあまり期待はされていないのではないかと思う。安倍元総理にとってはもう立憲民主党も菅自民党も「なんかごちゃごちゃやっている人たち」にすぎないわけだが、安倍元総理自体もごちゃごちゃした一部になっている。

「ごちゃごちゃを避ける」というやり方は政治的に利用できる。立憲民主党もこれに倣って政府批判から離れればいいのにと思う。

最近田村厚生労働大臣が「新しいコロナワクチン在庫管理システム」について発言をしている。このニュースだけをみると「画期的だ」と思えるのだが、実はいろいろと経緯や背景がある。

まず河野行革担当大臣が厚生労働省に「ワクチン使用した実績はどうやったらわかるのか?」と聞いた。厚生労働省は2〜3ヶ月かかりますと回答したそうである。これに業を煮やした河野大臣は官邸主導でVRSという別のシステムを作った。ところがこのシステムは極めて使いにくい。報告遅れが出たために問題が多発し自治体を混乱させた。

そもそも厚生労働省はなぜ「2〜3ヶ月かかります」と回答したのか。まず、厚生労働省の中央集権型マインドセットがあるように思える。だが冷静に田村厚生労働大臣の発言を読むとV-SYSとVRSを合わせれば在庫流通管理ができるということもわかる。ワクチン接種管理システムの構築に1年もかけていたらワクチン接種は終わってしまうわけだからある程度の目処も立っているのだろう。つまり厚生労働省はできるけどやらなかった。河野大臣を空回りさせて潰したのだ。民主党政権のパフォーマンス大臣たちを潰したのと同じやり方をしている。

厚生労働省は「お願いがあるならそっちから言ってきなさい」という発想しかできない。リアルタイムに報告をあげてもらって集計するという発想もなく「締め切りを設ける」というバッチ式の発想を今でもしているようだ。リアルタイム処理という概念がなかった昭和の発想である。だから厚生労働省は時間がかかるのだ。つまり明らかに遅れているのだが改革を潰すことで「ほらやっぱり馴染みのやり方の方が断然確実でしょ?」と言えてしまう。

田村厚生労働大臣がうまいのはおそらく河野大臣や平井大臣が失敗することがわかっていて何もしなかったことだろう。周囲のゴタゴタから逃れ高みの見物をしていたのだろうなあと思う。これまでのワクチン混乱の結果はおそらくポスト菅の権力争いだった。やり切れなさを感じるが結果的に勝ったのは何もしなかった側だ。

このことから「周囲のゴタゴタを避けてうまく立ち回る」ことが極めて重要であるということがわかる。ついでに言うと周辺に常にゴタゴタを作っておいて「調停する立場に立ったように見せる」テクニックも重要である。こうすることによって何もしていないのにあたかも何かをしているように見せることができるのである。

国政進出が噂される小池都知事も実は政界再編が落ち着くまで都知事として自民党と組んで舞台が整ったところで女王然と舞い降りるという選択肢がある。あくまでもごちゃごちゃとした政界再編を外から眺めるというのが実は小池式なのではないか。

立憲民主党が次の選挙でどうなるのかはわからないのだがおそらく「部外者」のフリをするのが一番上手だった人が最終的に勝利するのではないかと思う。それでいいのか?とは思うのだが、どうも現実を見るとそういう動き方になっているようだ。船田元・元経済企画庁長官からも「小池新党合流案」が出てきた。

一見自民党の立場から警戒しているように読めるのだが、実は自民党の中にも右傾化しすぎた自民党への嫌気があるのかもしれない。もし仮に新党ができれば国民民主党から立憲民主党に流れた人たち(もともと希望の党に流れた人たちだ)が大勢集まるのではないか。また共産党系労組組織との間に対立を抱える連合もそちらになびくだろう。

そうなると立憲民主党はさらに左傾化することになるのかもしれない。枝野代表は村山元総理を表敬訪問したそうだ。社会党右派の重鎮だった人だ。枝野さんが自民党リベラルとも協力して社会党右派までもを含んだ政党を作ろうとしているのかそれとも構想の外に押し出されてしまうのかが注目される。

一応、立憲民主党には頑張ってほしい立場なので「内心ヒヤヒヤしている」といった方が正確なのかもしれない。

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