自民党の後継政党はスーパー自民党だった

元参議院議員の藤巻健史さんのTwitterを今でもフォローしている。安倍元総理の講演会の様子が流れてきた。各地で後援会活動をされているようだが「財源はいくらでもある、お札は20円もあれば印刷することができる」と言っていた。日銀は政府の子会社で決算には影響しないから国の財布は痛まないそうである。いわゆる財政ファイナンス理論である。




安倍元総理は政権から離れるたびに強くなる。2009年選挙で自民党が敗れると「自分たちが否定されたのではない」と開き直っていた。周りのオトモダチに影響されて発言が強気になるのが特徴である。

昔から安倍政権はこの財政ファイナンス理論を取っているのであろうということはよく知られてきたのだが、これを認めてしまうと日本円が暴落する可能性が高いために表向きにはインフレ対策だということになっていた。要するに日銀と政府が結託した嘘なのだが、官僚たちは嘘を守り続けることで体裁を保ってきた。

今の安倍元総理の周りには小うるさい官僚がいないからなのだろう。発言はどんどんと勇ましくなっている。そしておそらくあまり意味がわかっていない地方の聴衆が拍手をするとどんどんその気になる。

日本は民主主義国家なので国民が「後は野となれ山となれ」という政策を支持すれば、それを補正できる人は誰もいなくなる。同じ主張をしても山本太郎さんのいうことは信頼しないが安倍元総理が言うともっともだなあと信じ込んでしまう人たちが大勢いる。

最も厄介な点は日本経済が信任され続けている点にある。日本は世界で一番お金持ちの国である。海外に債権を持っていて毎月兆円単位のお金が入ってくる。これが実質的に日本の財政を支えているものと思われる。実際に財政ファイナンスを支えているのは企業などが持っている海外資産だがこれが持続可能なのかということは誰にもわからない。おそらく持続可能ではないだろう。

安倍元総理は「新型コロナで大胆な経済政策が必要である」と言っている。これを否定できる人はそれほど多くないだろう。さらにここで大規模に財政支出をしても「日本経済は破綻しなかった」と言うのが成功事例になれば、政府はいくらでもお金を印刷すればいいと言う理論が一般化してしまう。おそらく人々は勤労意欲を失い政府の財政規律も失われてゆく。そして地方は自立しなくなる。政府が不効率な政治運営をしたとしても気にする必要はない。お金はいくらでも印刷すればいいからである。

実際にはもうそう言う事態になりつある。最近の県知事選挙・市長選挙ではオール与党体制で総務省出身の元官僚が当選するケースがボチボチと増えている。兵庫県では維新と組んだ知事が誕生した。国からお金を持ってくることだけが県知事・市長の仕事になっている。こう言う自治体の投票率は極めて低い。つまり有権者は政治に興味をなくし、議員たちが「自分たちの元にお金を持ってくるには官僚出身の県知事・市長を据えればいいのだ」ということを学習してしまったことになる。

安倍総理は副作用である日本経済の不信任について触れ「でもみなさん、そんなことは起こっていないじゃあないですか」と高らかに宣言する。一貫して面倒なことは考えたくないという姿勢だった人だがその姿勢は体調不良を理由に新型コロナ対策を放棄したことでさらに強化されてしまったようだ。つまり、面倒なことからは逃げ出してもいいのだ、逃げ出したほうが人気が保てるのだといいう確信をより確かなものにしてしまったのであろう。

時速制限40kmの道を80kmで走っても事故は起こさなかった。だったら明日は90kmで走ってやろう。そんな感じである。

安倍元総理はおそらくその場で拍手喝采を浴びたい。思い切ったことをやってみんなに褒めてもらって、面倒なことが起きればその場をそっと立ち去ればいい。これが安倍元総理の成功の秘密でありおそらくこれから先もそうやって生きてゆくつもりなのではないだろうか。

自民党の政策が破綻した後に登場するのは自民党よりもひどいポピュリズム政党だろうなあと思っていたのだがまさか自民党で総裁をやった人が出てくるとは思わなかった。

確かに今の自民党はあまりにもケチすぎる。ある程度の財政規律があるので「自分たちの支持者にばらまくためには庶民に金は分けてやれない」という気持ちがあるのだろう。

先日最低賃金が3.1%も上がることになったというニュースがあった。菅総理は過去最大にこだわったそうだ。前回が0%だったためものすごく上がったように思えるのだが、実は安倍政権下では3%が相場になっていた。過去最高というヘッドラインは欲しいので0.1 %あげて見せたのである。

また飲食店への補償には極めて消極的だ。菅総理と西村大臣は先渡し支給について言及したが内閣官房に野党が聞いたところ「システム改修に時間がかかるのでいつになるかわからない」と回答したそうである。官房長官は「自治体のシステム改築を支援してゆく」と表明しているようで申請も受け付けるそうだが「あくまでもやっている感」の演出なんだろうなという気がする。

それを否定するのは野党ではなかった。「スーパー自民党」はおそらく維新などとも組んだ自民党の中から誕生しそうである。そして、昨日事故が起きなかったから明日も大丈夫といって拍手喝采を浴び続けるのだ。

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