二階幹事長はなぜ自粛要請を破って公明党幹部に会いに行ったのか

AERA.dotに菅首相の後見人、二階幹事長が懇願しても公明党が”塩対応”だった理由「黙食会談」の中身とは?という記事が出ていた。横浜市長選挙が劣勢なので菅総理が公明党の応援を頼んだのだが公明党は塩対応だったという内容である。つまり二階幹事長がコロナ自粛を破って会食したのは菅総理から依頼されたからだというのである。それくらい切羽詰っているのだろうという印象を与えたい記事だ。




ところがこの記事の内容が全くわからない。そこで相関図を作ることにした。人物特定が難航した上にあっという間に周りに広がって収拾がつかなくなった。

キーワードは「秘書」と「顧問」である。よく政治家が「秘書がやったことだ」と言い訳をすることがある。我々は内情を知らないので「単なる言い訳だろう」などと思うわけだが実際に地方政治・経済レベルでは秘書とか顧問という肩書きの人たちがいて、あちこちと関係を持っているらしい。まるで闇社会だ。

この中でコンサルタントA氏という名前が出てくる。実際には名前がわかっている。現在東京地検特捜部の捜査を受けているからである。

現代ビジネスに記事が出ていた。ここから名前を拾って図に加えた。生田さんからのルートは二つあり現在捜査を受けているのは黒のルートだそうだ。東京地検特捜部の関心は財務副大臣だった遠山前衆議院議員が関与していたかどうかという点にあるとしている。

なぜ公明党なのだろうか?と思ったのだがその謎もわかった。生田さんと顧問の人は公明党の実力者の関係者だからなのだそうだ。確かにそういうつながりがあれば外からやってきて小選挙区を任されていた遠山さんも粗末に扱えないだろう。横浜市だけでなく東京都も意外とこうした裏の関係で成り立っているのかもしれない。

朝日新聞によるともともとこの事件は資金繰りに行き詰っていた生田さんが「詐欺まがい」の出資話を3金融機関に持ちかけたという話だったそうだ。金融機関には嘘の見積書を出していたという。ちなみに名前が引き合いにだされている藤井富雄さんはすでに亡くなっている。公明党の都議でありながら野中広務さんなどと交流があり自公連立政権の基礎を作ったと書かれている。野中さんは決して表に出ることはなかった人だが裏では幅広い人脈を維持してきたのだろう。当時の国政は「表方」と「裏方」がはっきり分かれていた。

やっとここまで整理ができたのでいよいよ本当に知りたかった二階・公明党会談(黙って食事をしたらしいのでテレパシーでも使ったのだろう)の方を整理してみよう。キーワードになるのは菅総理である。

同じ市長選挙でも千葉市長選やさいたま市長選には大した動きはなかった。千葉市の選挙は実際に見たのでなんとなく事情がわかる。柏の桜田義孝さんというあまり有名でない衆議院議員しか関与していないので大したさわぎにはならなかった。だが、横浜市長選挙は菅総理が関与したことで話が複雑化している。おそらく選挙が終わってもかなりのしこりが残るだろう。

ハマのドンと言われる藤木幸夫さんは対立する山中竹春候補の総決起集会に参加したそうである。もともと小此木八郎さんは藤木さんと懇意でありIRにも反対の立場である。つまり小此木さんと藤木さんがたもとを分かつ理由などない。おそらく話が複雑化したのは藤木さんと菅さんの間になんらかの感情的しこりがあるからだろう。なお立憲民主党などが支持する山中さんにもそれなりのインパクトのパワハラスキャンダルが出ている。

いずれにせよAERA.dotが言いたかったのは二階さんが公明党に「もうちょっと頑張ってくれ」と言いに行ったのだが遠山さんの件がどうなるかがよくわからないので積極的に創価学会婦人部が動かせないという話だったようだ。

これを書いている時にまたスキャンダルが出た。テレビ的には不発に終わりそうなネタだったが投開票日を前に仕込んでいた人がいるのかもしれないと思う。菅総理が和泉洋人補佐官を使ってゼネコンに働きかけたと新潮が書いている。だが応援依頼ではなく「横浜市長選、菅総理側近がゼネコンを“恫喝” 小此木八郎への支援を要請…「無礼千万な脅し」」と書かれてしまっている。和泉洋人さんも菅総理の懐刀で秘書・顧問ジャンルの人だ。つまり正式な関係よりも舎弟・親分関係が重要という関係なのだろう。

菅政権の悲劇はもともと裏方にとどまるべき人が表に出てきたことなのかもしれない。こうして裏に押しとどめておくべきだったものが政策決定に影響するようになり国政は次第に蝕まれゆく。説明できるものと説明できないものが混じり合ってしまうからだ。

地方政治によくあるこの舎弟・親分関係を国政に持ち込んで官僚を恫喝したのが菅政治の本質だったんだなと思う。厚生労働省は統計を隠すようになり具体的なアイディアを出さなくなった。官僚制と闇社会のやり方はあまり相性が良くなったようだ。それどころかこうしたやり方はSNSが発達した現代では地方政治であっても暴発する危険性が出てきた。

横浜市長選挙の結果は菅総理のリーダーとしての器を計るイベントのみなされ、おそらく自民党の総裁選挙や総選挙のスケジュールに影響を与えることになるだろう。こうして偶然に左右されながら次の総裁候補が決まってゆくことになる。色々と恐ろしい話だなと思う。

Google Recommendation Advertisement