きしむ自公連立政権と改憲議論の足音

立憲民主党の比例票について分析したところ閲覧数が伸びた。もしかするとこのブログを見ている人には左から真ん中あたりのリベラルの人が多いのかもしれないと思った。ただこのブログには閲覧者はいても「いいね」などのリアクションはあまりないので実際のところ誰が見ているのかはよくわからない。そもそもリアクションボタンがないことに気がついたので冒頭と最後にリアクションボタンをつけて見た。

立憲民主党の騒ぎに気を取られているうちに何やらおかしな動きが出ている。今回はそのうちの公明党の動きについて考える。ただこの先には国民民主・維新の連携がある。おそらく憲法第9条を擁護したい人たちにとっては今日の話よりも改憲議論の盛り上がりの方に関心が高いのではないかと思う。




維新の躍進を見て公明党がかなり焦っているようだ。すぐに給付金の話が出てきた。

読売新聞が「独自」記事を流しテレビが追随した。18歳以下に10万円の「未来応援給付金」を給付しマイナンバーカード保有者にもポイントで3万円をつけるという案である。管政権はコロナ対策予算を配りきれなかったようなので手っ取り早くお金やクーポンを渡して使ってもらったほうがいい。マイナンバーカードにつくポイントを期限付きにすればすぐに実現する。予算が潤沢にあるならば悪い話とは思えない。

ところがすぐにカウンターの動きが出てきた。まずはテレビが「まだ本決まりではない」と補足しはじめた。田崎史郎さんが「予算というのは国会を通過しないとつきませんから」などと言っている。自民党内に不満がありそれを代弁しているのだろう。次に公明党が必死になって選挙目当てで意見を「丸呑みさせよう」としているのではないかという記事が出てきた。やはり自民党側に不快感を持っている人がいるようだ。自公連立が少しほころびているのである。

時事通信は自民党の一部が給付に抑止的なのは「財政再建を優先させたいからだ」と説明している。だが選挙期間中「財政再建を優先させたいから自助でやるべきだ」などという主張は聞いたことがなかったのでこれは言い訳のための説明だろう。

フジテレビは「政府関係者の話」としてマイナポイントでの配布は自治体の実務が追いつかないという主張を展開した。そもそもこの政府関係者が誰だかが全くわからないうえに、前回のマイナポイントで自治体の実務が遅滞したという話は聞かない。マイナンバーカードの窓口は混雑したようだが大混乱というほどではなかった。ワクチン接種をめぐる混乱に比べると大した話ではなかったのではないかと思う。公明党はこれにも対案を準備しているようだ。

つまり、単なる言い訳のような議論ばかりが展開していて本音が見えない。最初は「自分たちの業界に約束した支援策の取り分が取られてしまうのを恐れているのでは」と思った。GoToなんとかなどに予算を流したがっているのではないか?と疑ったのだ。

これをQuoraに書いたところ「そもそもGoToなんとか」は途中で止まっていて予算は余っていると指摘された。つまり当初約束した予算が執行できていないというのである。根拠を求めて検索した。半分使えていないという記事がたくさん出てくる。最新の情報だと使用率は66%で22兆円も使い残しているそうだ。若干進捗したもののおそらく制約が多すぎて使い勝手がよくない支援が多かったのだろう。それどころか「不必要なもの」も1兆763億円あったという。

そういえばこれらの予算の自民党での取りまとめ役は当時の岸田政調会長だった。岸田総理のもとで補正予算編成をすればまた「使わせないための工夫」が盛り込まれた補正予算が通る可能性が高い。支出抑制派の人たちの意見を聞いてしまうからである。

しかし、なぜこんなことになるのか。どうやらメンツの問題らしい。岸田総理は政調会長時代に「公明党の一律給付でメンツを潰された過去がある」と書いてある記事が複数見つかる。なんだそんなことかと思うが「そんなこと」で政治が動いている。

北海道新聞はまた別の構図を主張している。自民党と公明党の政調会長の駆け引きという構図だ。これも意地の張り合いに見える。

  • 公明党は維新の躍進により埋没することを恐れている。
  • ただ給付金の話が受けたので結果的には議席を微増させた。そこで竹内譲政調会長がTwitterで所得制限無し、現金給付が事実上決定していると呟いたと書いている。
  • これに対して自民党側の高市政調会長が苦言を呈した。

竹内さんは京都の人のようだ。大阪の維新旋風は京都に近い高槻市(辻元清美さんの地元)あたりにまで迫っている。京都も落城の危機にある。

政府から出ている自治体云々の話にも反論を書いている。なぜ基金化すると殺到しなくなるのかはさっぱりわからないが「何が何でもやる気」なんだろうという意気込みは伝わってくる。

維新の党は「安倍系の人たち」が喜びそうな憲法改正案を準備している。形だけでも案を出しておけば与野党で議論の土壌ができたことになる。これに国民民主党も乗るようだ。こうなると公明党は創価学会の憲法第9条擁護派と自民党の間で板挟みになる。公明党が揺れれば喜ぶのは関西で競合関係にある維新だろう。

参議院選挙では大阪で「成功している」地方改革などをさらに進めるために憲法改正をなどと訴えればいい。こうなると身内の創価学会に護憲勢力を抱える公明党が邪魔になる。安倍系の人たちが邪魔な公明党を外して維新に乗り換えたいと考えても何ら不思議ではない。

本来なら現状を分析した上で必要なところに迅速に支援をしなければならない。だが、どうやら自民党・公明党政権が気にしているのは次の選挙とメンツである。公明党に取って代わることを目論んでいる維新を巻き込んで大騒ぎが展開しているように見える。

このブログの本当の読者がどういう人たちなのかはわからないが、これだけ漠然とした「改革欲求の空気」が広がると立憲民主党も自分たちだけは憲法改正には一切関わりませんとは言えなくなる。おそらく近いうちに何らかの対策を迫られることになるのかもしれないと感じた。

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