新型コロナワクチンには果たして効果があったのか?

ヨーロッパの一部で新型コロナウイルスの再拡大が進んでいる。これまで別のニュースにかまけて見てこなかったのでAFPを中心に過去一週間のニュースを当たった。課題は「ワクチンさえ打てば問題は解決するという見込みが果たして正しかったのか」という問題である。やっかいなことに調べれば調べるほど答えがわからなくなるのだが、それでもなんらかの方針を作ってコロナ対策を進めるしかないという状態だ。




スペイン、ポルトガル、イタリアはワクチン接種が進んでいる。イタリアでは就労者に衛生パス形態が義務付けられており不携帯者はクビにはならないが就労ができなくなるそうだ。この三ヶ国の感染者数拡大はまだそれほどでもないがポルトガルでは拡大の兆候もみられるそうである。

ドイツでは1日の新規感染者が5万人を超えた。ドイツの感染は第4波だそうだが旧東ドイツ地域南部のザクセン州が最も被害を受けているという。ワクチンの接種率が57%しかないそうだ。政府があまり信頼されていないことがわかる。つまり、ワクチン接種に「穴」があると国全体の観戦状況を悪化させてしまう恐れがあるのだ。

だが、ドイツが最悪というわけではない。

こうした動きは各国に広がっているそうだ。ベルギー、ブルガリア、クロアチア、チェコ、エストニア、ギリシャ、ハンガリー、オランダ、ポーランド、スロベニアの10か国のリスクが最高レベルの「非常に強い懸念」に分類されたそうだがこの中にドイツは入っていない。つまりドイツよりもリスクが高い地域がある。ただこの記事は何がリスク要因になっているのかについては言及していない。おそらくよくわかっていない点が多いのだろう。

試しにギリシャを見てみたがやはり感染が拡大している。ワクチンのカバー率は6割程度だ。ただし主要国以外はまとめて報道されることがほとんどでニュースにさえならない場合が多い。

リスクが最も高いとされたオランダでは緩やかなロックダウンが再び提案されているそうだ。これまでワクチンさえ打てば大丈夫ですよと説明してきたのだが「ワクチンを打っていてもロックダウンの対象になるかもしれない」そうで「政治的に微妙な問題だ」と書かれている。結局ロックダウンは実施され200人規模の抗議運動が起きたそうである。オランダは近隣国と比べてもワクチン接種が進んでいる国なので「なぜ感染が拡大しているのか」がよくわからない。

オーストリアの中部のザルツブルグとオーバーエスタライヒ州は違った決断をした。ワクチンを接種していない人を対象にしたロックダウンを実施したそうだ。オーストリアのワクチン接種率は65%だったそうで「この人たちさえワクチンを打ってくれれば」という気持ちがあるのだろう。だが、オランダの事情を見ると本当にそれが正しいことなのかはよくわからない。とにかく「生活必需品の購入、運動、通院などを除く外出」が禁止されるようだ。これはワクチンがまだなかった頃を思わせる厳しい対策である。

フランスはかなり強権的にワクチン接種を進めてきた。こちらはまた別の問題に直面している。それは国家統治のあり方である。政府対民衆という対立構造が生まれつつある。

このたびフランスは65歳以上の高齢者に追加接種を実質義務付けることにした。強制はできないので飲食店や博物館に入場するときや鉄道で移動する際に追加接種証明の提示を義務付けるという。フランスでは2021年7月から博物館や映画館に入館する際や鉄道や飛行機で移動する際に「パス」を義務付けているという。かなり強権的な対策を実施しないと追加接種の(実質)義務付けなどできない。

フランスは国民の理解があったからワクチンパスポート(正式には衛生パス)が導入できたと言いたいところなのだが実はそうではないようだ。導入直後にはかなり激しい抗議運動が起きていた。8月中旬の記事を読むと「医師の処方がない検査は有料にする」からワクチンを接種しろというロジックだったようだ。つまり「ワクチンさえ打てばあとは大丈夫ですよ」と説明していたことになる。

それでも8月末までデモはなくならなかった。国家がワクチン接種を強制するのはレイプのようなものであるという論調まであったという。

こうした反対を押し切って導入したワクチンに対して「6ヶ月で効果がなくなりますよ」とか「接種している人も感染状況によってはロックダウン対象になりますよ」というのはある意味「嘘」である。大統領選挙を控えるフランスではこれが政治問題化しているそうだ。

反発の根は深い。

マクロン大統領は新興エリート階層の出身であり成長の邪魔になる弱者を切り捨てようという思想の持ち主だったようだ。これが支持されて大統領になるのだが大きな反発も生んだ。それがイエローベスト運動である。燃料税を引き上げ富裕税を引き下げたことで火がついた。その後何かにつけて抵抗運動が持ち上がるようになった。

イエローベスト運動はコロナが蔓延したことにより一旦落ち着いたが、ワクチンで状況が落ち着くと「コロナ対策で国家が強権を発動するのは中国のような専制国家なのではないか」という疑念が生じているという。

ただヨーロッパ全体が大変な事態に陥っているわけでもない。冒頭に挙げた南欧参加国のほかにイギリスでは感染者は増えているが医療体制は逼迫していないという。これが10月の記事である。

2回のワクチン接種している人は11月中旬時点で7割弱だそうだ。これはドイツ(全体)やフランスともそう変わらない。感染は増えているが医療機関は逼迫していないのだから感染者数だけをみていても無意味だと言えるかもしれない。だがイギリスがオランダ化する可能性がないとも言い切れない。

ということで概観しただけでは「一体何が効果的なのかわからない」という状態になっている。一概にワクチン接種が進んだから安心というわけでもないし無駄というわけでもない。その場で説明を尽くしてもそれが明日は間違いでしたということになる可能性があるのだ。

ちなみにアメリカでは民間企業従業員に対するワクチン義務化に対して共和党州の二十数州が反旗を翻した。バイデン大統領は反論したそうだが今も司法による「差し止め」が有効になっているという。アメリカではワクチンも民主党と共和党の政争の材料の一つになっている。

アメリカ合衆国のワクチン接種率は6割弱にとどまっている。

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