菅総理が鳴り物入りで始めた「携帯電話料金が安くなる」はその後どうなったか?

今回は菅総理が鳴り物入りで始めた携帯電話料金の引き下げのその後について検討する。政治的には菅総理の側近とNTT幹部が会食を繰り返していたということだけが問題になったわけだが、もちろん携帯電話料金の引き下げは行われている。ただ、この引き下げは単に携帯電話事業者の首を締めるだけで終わりそうである。政治的に均衡点をなくすと料金の自由落下が始まる。賃金が上がらないのだからこれが当然の結果なのである。




最近、携帯電話料金に新しい変化が起きている。ahamoは契約件数が100万件を達成したそうだ。「100万も行けば上々だと思っていた」ということだが結局ahamoショック(格安料金をフックに高いサービスを売りつける)を引き起こしただけに終わってしまったことになる。DoCoMoはエコノミーサービスにも参入する予定だそうだがパートナーは決まっていない。

だがNTT DoCoMoの発表には余裕が感じられる。おそらく携帯電話料金に無関心な層はあまり動かなかったのだろう。ahamoが100万件にしかならなかったことからもそれがわかる。

LINEMOは20GBサービスの他に3GBサービスを始めた。LINEの利用はカウントせず990円(税込)になるそうだそうだ。「速度制限が入ることがある」と書かれているので結局MVNOのようなサービスに回帰してしまったことになる。auのpovoが大成功したという話もきかないので結局市場に大きな変化はなかったのだろう。

大手キャリアは外からの介入を利用して新規に若者を取り込もうとしたのだろう。だが大手が掴みたいのは20GBくらい使ってくれて、代理店に余計な面倒をかけさせない、都合の良い顧客である。そんな人は誰もいなかったということになる。マーケティング戦略でありもしない需要やユーザーを作り出すことはできない。

LINEMOは「市場の需要は60%が3GB未満だった」と説明したそうだがそんなことは最初からわかっていた。Quoraでは別のアンケートを見せてもらったが一番多いのは1GB未満だという結果になっていた。LINEMOはLINEモバイルの倍の契約者だそうだが、ahamoには及ばないと社長が説明している。つまり100万人はまだ見えないということなのだろう。デジタルネイティブユーザーの満足度は高かったそうだが「スマホに3,000円も出せない」という人が多いのだろうなあということは容易に予想できる。いずれにせよ大手が手を出すような規模感ではない。

Rakuten Mobileのような多段階式も考えたそうだが「気がつかずに使ったら料金が上がっていた」という事態を防ぐことにしたそうだ。賢明な判断かもしれない。

実際にRakuten Mobileを使ってみた。国内通話の音質は悪くない。今まで通話した中で「音質が悪いですね」と言われたことはない。またRakuen Miniは小型で使いやすい。

だが「使いすぎると料金がかかるかもしれないから無料国内通話(発信)にしか使わない」という使い方になっている。あくまでもサブの位置付けである。

Rakuten Mobileもそれはわかっているようで画面にクーポン情報などをガンガン送りつけてくる。「クーポンを見てあげている代わりに国内通話を使わせてもらっている」というものすごくドライでビジネスライクな関係になりつつある。

Rakuten Mobileはとにかくユーザーを囲い込みたいらしく頻繁に「アプリをインストールしろ」といってくる。いいなりにインストールしていたらロック画面にクーポンを送りつけてくるようになってしまった。これを消すことができない。またChromeではなくRakutenブラウザーを使えという。まあ、でも別に構わない。お気に入りにカスタマイズできるiPhoneを別に持っているからである。

話をLINEMOに戻す。LINEMOがMVNOのシマを荒らすようになると当然MVNOも対応を迫られる。それが無料戦略である。LINMOに変わったLINEモバイルからは顧客が流出しているのだろう。500MB以下では基本料金がかからなくなるサービスが2021年6月中旬から始まったそうだ。これは既存のLINEモバイルユーザー向けであり新規顧客は対象ではない。

つまりLINEMOはLINEモバイルのユーザーも流出しかといってLINEMOの20GBユーザーも集まらなかったと言うことになるだろう。

BIGLOBEも新しいサービスを始めた。表向きはジャニーズのタレントを使い「社会貢献活動」を訴えている。SDGsばやりなので「社会貢献は若者にウケける」と考えたのかもしれないしBiglobeのイメージ戦略なのかも知れない。

しかし、裏ではエントリープランという新しいプランを出していた。これも無料プランなのだが、とにかく接続が良くない。現在お試し期間で3Mbps出るのだが14日経つとこれが128kbpsまで下がるそうだ。永遠の速度規制みたいなサービスである。事務手数料がかかるということになっているのだがこっそりと事務手数料が無料になるというクーポンも配っていた。

ところがこれが裏目に出たらしい。コードはあっという間にYouTubeに乗って拡散した。YouTubeを見てからすぐに申し込んだのだがその日のうちに「新規受付が停止した」と話題になった。今でも停止措置は続いている。まあ、ないよりはあったほうがいい程度のサービスになっている。おそらくBIGLOBEのチケットを買うことはないだろう。LINEMOでもNUROモバイルでも1000円以下で3GBというプランを選べばいいからである。

背景には「賃金が上がらない」という事情がある。だから一旦市場全体が「安い方向」に向かい始めると自由落下的に安い方向に走り出してしまうのである。菅政権が行うべきなのは賃金引き上げであろう。最低賃金を28円引き上げる方向でまとまったそうだが、この程度でも中小零細企業を中心に反発の声がでているそうである。

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